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›2004年03月04日

なかなか面白い「ビンス本」が出ましたね

Posted by JS at 23:28 / Category: テレビ・本 / 1 TrackBack

wwe-book.jpgWWEの独裁者—ビンス・マクマホンとアメリカン・プロレスの真実
(ショーン・アサエル+マイク・ムーニーハム/著、菱山繁/訳、ベースボール・マガジン社)

 ベーマガから発売された『WWEの独裁者』を読んだ。
 アメリカンプロレスの歴史と、WWE及びビンス・マクマホンが現在の“一人勝ち”状態になるまでの舞台裏(光と影)が書かれてある。著者がこの本を執筆する際、ビンス本人からは協力を得られなかったそうだが、周りのレスラーや関係者をよく取材し、かなり深い話まで突っ込んで書いてある。
 それにWWF(当時)とWCWの争いなんかは、ギャラの高騰や視聴率争いなど、現在日本マット界で繰り広げられている「K」と「P」の争いにも通ずるものがあり、なかなか興味深く読めた。

 この本は原題を『セックスと嘘とヘッドロック』というのだが、実は約1年前にあるプロレス関係者の方から「最近アメリカで出た本で、面白いのがあるんだよ」と言われ、私が見せてもらった本が『セックスと嘘とヘッドロック』だった。

 その方はアメリカンプロレスにもかなり詳しい方なのだが、「この本は結構よく書かれてるよ。今までビンスに関してここまで書いた本はないね」と、この本を絶賛した。
 そこで私も「へ〜、どんなことが書いてあるんですか?」と聞くと(英語なので読めないし)、本の内容を細かく説明してくれた。ステロイドやプロレスの仕組みなどについても結構書かれている、いわゆる“暴露本”の部類に入るのだが、確かにかなり興味深い内容だった。
 そこで、その方と「これ、もう少し日本向けにアレンジしたら売れるよ」とか「もっとビンスが日本というマーケットをどう考えていたのかも入れたほうがいい」などと話をしてずいぶん盛り上がった。

 しかし、結局当時の私には洋書の権利を買うだけのツテもないし、そもそも著者(及びこの本を出したアメリカの出版社)にどうコンタクトを取ったらいいのかも分からなかったので、この話は頓挫した。私の中では、恐らく洋書(とくにアメリカンプロレス)に強い出版社が、そのうち訳書を出すだろうと思っていた。
 そして1年後、ベーマガから訳書がついに発売されたわけだ。しかし結構過激な内容だし、いくらプロレス内部の人間が書いた本ではないとはいえ、“暴露”的要素もかなり含んだ本なので、『週刊プロレス』を出しているベーマガが出すとは思わなかった。
 とは言え、原書の間違いも細かく注釈で訂正してあるし、『アメリカーナ』でお馴染みの斎藤文彦氏があとがきでナイスフォローをしている。訳書をベーマガが出したのは正解かもしれないな(でも、結構“ひっそり”出した気がするな)。

 この本に書かれてあることがすべて真実ではないだろうし(真実でもいいけど)、暴露に対してかなり“免疫”ができているのこともあって、この本は“読み物”として、なかなか楽しく読めた。
 いやはや、一体ビンス・マクマホンとは本当のところどういう人間なんだろう? ビジネスのために悪魔に魂を売ったのか? それともエンターテイメントビジネスの天才なのか? う〜ん、この本を読んでますます分からなくなった。でも、とにかくとんでもない人間だということはよく分かった。

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