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›2005年01月25日

いま新日本が求める人材は柴田ではなく、優秀なビジネスマン!

Posted by JS at 18:07 / Category: 【プ】新日本プロレス / 0 TrackBack

 『カクトウログ』さんで見つけた面白い記事。
 柴田の退団も決定し、揺れる新日本プロレスだが、何と1月23日付けの朝日新聞紙上に求人広告を出したらしい。これに対し、東スポは「新日プロが今春をメドに大胆な人事改革を断行することになった。(中略)100万円をかけ社員募集の求人広告を掲載。幹部候補の営業、管理部社員から宣伝部まで若干名を募集する。(中略)草間社長は『実務能力と経験を重視する。プロレス好きは後からついてくるもの。プロフェッショナルな社員を募集したい』と説明」と報じた。

 カクトウログさんは「正直プロレスを愛していない社員のいる団体には心が躍らない」と書かれているが、昨年のプロ野球を見れば分かる通り、確かにプロ野球を愛していない(詳しくもないし、そもそも好きなのかどうかも怪しい)人が球団経営をしているのは、選手にとっても、ファンにとっても、あまり喜ばしいことではない。儲からないのなら辞める、赤字なので切り捨てるというビジネスライクな考えは、業界を衰退させる可能性があり、ファンは置き去りにされている感は否めない。
 しかし、好きな者が集まって運営できるほど企業は簡単なものではないし、不況の現代ではさらに厳しい状況なのも、また確かだ。

 プロレス団体は今まで、プロレス好きやレスラー(&レスラー出身者)だけによる“一座”のような形態で運営されていた。メジャー団体は株式会社ではあったが、1企業というよりも全国を回って興行を打つ一座のようなイメージのほうが強い。しかし、現代社会ではいくらマイナースポーツのプロレスであっても、そういう形態では会社を運営するのが困難になってきたということだろう。現代ではプロレスに限らずプロ野球や大相撲も苦しいのだが、協会や選手会といった組織がキチンとあるメジャースポーツはギリギリで何とかなっている。しかし、プロレスはもうデッドラインまで来ているのだ。
 私もプロレス業界の方々とお仕事をさせてもらうことがあるが、時たま「よくそういう感覚で今までやってこれたなぁ」と思わされることがある。いかにも一座的な感覚というか、とても企業相手にビジネスをしているとは思えないアバウトさなのだ。良くも悪くもそういうところがプロレス故の豪快さでもあるのだが、あらゆるジャンルの様々な企業がバタバタと倒産している現代では、“プロレス感覚”は通用しない。長州のWJや橋本のZERO-ONEが崩壊したのは、まさにプロレス感覚では企業を運営していけないという証明だし、最近では『ゴング』の母体である日本スポーツ出版社の経営陣も一新された。
 業界最大手だった新日本プロレスは、いまとくに厳しい状況だろう。鳴り物入りで社長となったビジネス畑出身の草間社長と選手の間には大きなギャップが生じているようだし、その間に入って奮闘していた上井氏も退社してしまった。レスラーたちにしてみたら、「体張ってリング上で頑張っている俺らのことが背広組に分かるか! プロレスのことに口を出すな!」という思いもあるだろうし、草間社長もプロレス特有の難しさや空気を読むことができず、ビジネスライクな発言をしたと思ったら、ブックに加わってみたりと中途半端なことをしているように見える。新日本の場合、実質的オーナーの猪木が経営にもブックにも強行権を発動させているのもややこしい部分だ。

 とにかく今の新日本は、何をやってもうまくいかないリング上のことは、とりあえず置いておいて(現場に任せて)、1企業として地力を固める(生き残っていく)ほうが優先かもしれない。そのためには草間社長が(前評判通り優秀なビジネスマンなら)手腕を発揮できるような環境作りが急務だ。そのための大胆な人事改革であり、朝日新聞への求人広告になったのだろう。以前、広告代理店の人に朝日新聞に広告を出すときの正規の料金を聞いたことがあるが、3行広告でも目玉が飛び出すような値段だった。「優秀な人材=朝日に広告」はいささか安易な発想とも思えるが、大枚叩いてそこそこ大きな求人広告を出したのは、それだけ本気だということだろう。
 優秀な人材がプロレス好きなら言うことナシだろうが、プロレス好き特有の“プロレス感覚”ではダメなので、「プロレス好きはとりあえず置いておいて、まずはプロフェッショナルな社員がほしい!」という草間社長の希望はよく分かる。優秀なビジネスマンならば、プロレスというビジネスは非常に難しいが、面白いし、やり甲斐があると思ってくれるかもしれないしね。せっかく優秀なビジネスマンが入社しても、逃げ出さないことを祈る……

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