プロレス、格闘技、IT、デジタル、iPod、Macなどの情報をお伝えするウェブマガジン[angle JAPAN]

›2005年02月14日

ジャーナリズムとは何か? あの雑誌の名物編集長の編集論は興味深い

Posted by JS at 19:11 / Category: テレビ・本 / 0 TrackBack

Uwashin25nensenki.jpg 集英社新書から発売された『『噂の眞相』25年戦記』を読んだ。この本は、2004年3月に惜しまれつつ休刊した『噂の眞相』の名物編集長だった岡留安則氏が、数々のタブーに挑み続けた『噂眞』25年の舞台裏を綴ったものだ。
 ゴシップとかスキャンダル好きの私は、『噂眞』もちょいちょい読んでいただけに、その舞台裏は十分興味があるし、実際読んでいて非常に面白かった。ただ個人的には、個性的な“名物編集長”と呼ばれる人が、どのような考えで雑誌を作っていたのかという部分に最も興味がある。私の(一応)師匠であるターザン山本!さんも、やはり名物編集長として、独自の“編集論”みたいなものを持っており、私もターザンさんと出会った頃、よくその話を聞かせてもらったものだ。そういう話は、私も1編集者として大変気になるし、勉強になる。

 岡留氏は『噂眞』がカリスト雑誌を暗示させるために、わざとザラ紙を使用したり、例え周りから「下品だ」と言われようとも、創刊当初は表紙にインパクトのあるイラストを使い続けたそうだ。また、新宿ゴールデン街の“夜回り”をして、新聞記者や週刊誌記者から情報を仕入れるのも欠かせなかったという。この辺は、ターザンさんの目立つように蛍光ピンクを表紙に使ったり、プロレスファンのニーズに合わせて、わざと泥臭いレイアウトにし続けたり、読者のニーズを知るために、こまめに読者やプロレスファンとダイアローグしてきた部分と似ている。あと、取材対象者(岡留氏の場合は主に作家や評論家、ターザンさんの場合はレスラー)とは、馴れ合いの関係にはならないという部分も似てるかな。

 あと、この本で岡留氏が書いていたように、国民(読者)には知る権利があるわけであり、マスコミが読者の興味のある情報(事件の真実やスキャンダル)を入手したのならば、いくら相手が権力や権威がある者でも公人であれば、報道(暴露)するべきというジャーナリズムは大いにアリだと思う。
 ただ、プロレスの場合はスキャンダルをはじめとする、いわゆる“暴露”はあまり正義じゃないんだよなぁ。暴露をすればするほど、業界全体の士気が下がるというか、低迷しちゃう。プロレスっていう世界は、かなり独特で、良くも悪くも怪しくて微妙なバランスで成り立っている世界だ。だから、いくら読者が興味のある情報だとしても、何でもかんでも表に出せばいいってものでもない。知らぬが華というか、プロレスファンには真実を隠してでも、いい夢を見させるべきなのだ。この本を読んで、そんなふうに思った。
 ただ、時代も変わってきているんで、逆に何でもかんでもケーフェイっていうのも、時代遅れだろうなとは思う。「これは書くべきだ!」「ここまでは表に出していいのでは?」という判断は難しいところだが、その辺はプロのプロレスマスコミの方々の腕の見せ所! プロレスにもジャーナリズムが必要になってきたか。

『噂の眞相』25年戦記 − 集英社新書

【angle JAPANは休刊中。プロレス・格闘技のニュースや試合リポートは下記のサイトで!】
btln-banner_468-60.gif