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›2005年05月27日

新日本プロレス前社長・草間政一氏とは何だったのか?

Posted by JS at 12:54 / Category: 【プ】草間プロレス経営塾 / 0 TrackBack

草間氏「猪木さんは理不尽」(デイリースポーツonline)

 新日本プロレスからギリギリ円満退社した草間前社長。猪木に見込まれて新日本に来て、わずか1年で2〜3年前からの借金を返済して、4年ぶりに利益を上げるという“実績”を残したのに突如解任されたのだから、草間氏からしれみれば「理不尽だ!」となるのは当然だろう。しかしプロレス業界というのは何とも特殊な世界で、企業として利益を出すとかビジネスとしては至極当たり前のことより、どれだけプロレス頭があるかどうかのほうが大事だったりする。
 恐らく猪木が草間氏を社長に据えた最大の理由は、「新日本プロレスリング株式会社」という会社を、いわゆる“プロレス村”の1団体ではなく、1企業として“普通の会社”にしたかったのだと思う。しかしタイミングが悪かった。プロレス不況真っ只中のこの1年、新日本は迷走を続け、ドーム大会は不入りの連続で、日本プロレス界の盟主の座もノアへと移ってしまった。これでは“普通の会社”として建て直している暇なんてない。例え会社として利益を出していても、団体として存亡の危機だ。
 草間氏自身が出しゃばり過ぎた(その結果、草間氏がプロレスのことを全く知らなかったことがバレた)こともあって、草間氏は「新日本衰退」の責任を押しつけられるカタチで新日本から追い出された。もし草間氏にビジネスマンとしての手腕に加え、プロレス頭があったら“悪徳社長・クサマクマホン”として君臨し、新日本は(猪木の狙いとは違う方向ながら)大きく生まれ変わったかもしれないが……

 やはりプロレス団体というのは“普通の会社”にはなれないのかもしれない。業界全体が特殊だから仕方がないのだろうか? 業界(プロレス村)の人間ではなく、外様の人間を招聘し、生まれ変わることが期待された新日本は、わずか1年でその道を諦め、オーナー・猪木は新社長に娘婿のサイモン氏を据えた。身内経営というカタチで新日本は再出発する。
 身内経営といえば松永一族による全日本女子プロレスや、馬場さんが生きていた頃の全日本プロレスが似たような感じだが、全女はご存じの通り何度も経営難に陥り、今年ついに崩壊した。全日本も馬場さんが生きていた頃はビジネスマンとしても堅実で優秀だった馬場さんがすべてを統括し、何度か見舞われたピンチも乗り切ってみせたが、馬場さんが亡くなり、元子夫人による経営になった途端に大量の選手が離脱し、崩壊寸前となった。その後、武藤を社長に迎え何とか崩壊の危機は乗り切ったが、いまだに経営は苦しい状態だ。
 新日本も猪木がキチンと会場に来て、いまのマット界を見据えながら現場で指揮を取るならば、全体を統括できるような気はするが、今の猪木はアメリカが生活の拠点であり、プロレスにもそれほど熱心ではない。アメリカと日本を行ったり来たりしながら、その都度言いたいことだけ言って、またとっとといなくなる。これではマット界の流れなんか読むことはできないし、選手や社員を統括することなんてできない。サイモン氏がただの猪木の“操り人形”ならとても新日本が良くなるとは思えないが、どうなることやら……

4761262435.01.MZZZZZZZ.jpg さて、わずか1年で新日本を追い出された草間前社長とは一体何だったのだろうか? もし草間氏が言う通り、これだけお客の不入りを出しながらも、4年振りに利益を出したのなら、確かにビジネスマンとしてはなかなかの手腕の持ち主だったのかもしれない。
 普通、これだけ周りからクソミソに言われ、わずか1年で解任なんていう理不尽なことをされたら「プロレスなんてもう御免だよ!」となると思うのだが、草間氏自身は「オレの力がどこかで役立つならいくらでもやる」と、プロレス界再就職に意欲的らしい。一時期はかなり敵対していた武藤あたりが、そのビジネスマンとしての手腕を買って全日本の経営難を乗り切るために草間氏を招聘したら面白そうだが、なにせ“新日本衰退の元凶”“プロレスを知らなすぎる人”というレッテルを貼られているので、プロレス界で再就職するのは難しいかもなぁ。
 マック(Mac=Apple)からマック(マクドナルド)へ行った原田社長のように、草間氏が本当に優秀なビジネスマンなら、今後違う場所(それがプロレス界でも、まったく違う業界でも)へ行っても何らかの実績を出してくるだろう。きっと草間氏も「私を追い出した彼らを見返してやる!」という思いもあるだろうし。もし、そうなったら猪木や新日本は「あ〜、しまった! 早まった!」と後悔するのだろうか……

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