プロレス、格闘技、IT、デジタル、iPod、Macなどの情報をお伝えするウェブマガジン[angle JAPAN]

›2005年06月08日

プレステの方向性とプロレスの方向性を無理矢理リンクさせてみる

Posted by JS at 13:42 / Category: つぶやき / 0 TrackBack

後藤弘茂のWeekly海外ニュース
SCEI 久夛良木社長インタビュー(上)「PLAYSTATION 3でコンピューティングを変える」
(PC Warch)

 SCEIの久夛良木社長がPLAYSTATION 3について語っているのだが、難しい用語が並び、私には技術的なことはよく分からないが、「最初から子供のためのゲーム機ではなく、世界中の大人が楽しめるエンタテインメントのためのコンピュータをやろうとして来た」「PCはついに行き着いちゃった。だから、今度は、確実に、IBMなどのパートナーと一緒に、次のコンピュータをやりたい」といった言葉は興味深い。
 つまりPS3は単なるTVゲーム機ではなく、既存のPCの延長(派生したもの)でもなく、“Playstation”という1つのジャンルの発展形であり、“コンピュータエンタテインメント”なんだそうだ。娯楽の道具として、過去テレビやウォークマン、ビデオ、TVゲーム、パソコンといったものが生まれてきたが、そこに「Playstation」というものが加わってきたということか。
 私がこの発言に興味を持ったのは、かなり無理矢理だが、プロレスにも当てはまる部分があるなと思ったからである。

 プロレスというジャンルは娯楽格闘技として長年やってきた。子供の頃、タイガーマスクや猪木、馬場を見て熱狂した人も多いだろう(当然私もその一人)。しかし近年はPRIDEやK-1という「より一層スポーツ寄り」の格闘技が力を伸ばし、プロレス人気をかっさらっていった。その結果、娯楽(エンタテインメント)としてのプロレスは衰退していった。子供たちは離れていき、残ったのは大人のマニアばかり。
 ならばプロレスをどうしたらいいかと言えば、そんな大人が楽しめるエンタテインメントとして発展していくしかない。純粋なスポーツでもない、まして演劇でもない、“プロレス”というスポーツエンタテインメントになるしかない。そう書くとWWE的な方向が思い浮かぶが、日本のどの団体が必死に頑張っても、同じ方向性では逆立ちしたってWWEには敵わない。日本の団体はあくまでも“日本向けスポーツエンタテインメント”を追求していくしかあるまい。
 ハッキリ言ってプロレスをガチンコ(真剣勝負)として、PRIDEやK-1(これらも純粋なガチンコとは違うけど)と同列なものとして見ている人は少ないだろう。嫌な言い方になるが、「プロレスとはそういうシステムの上に成り立っている」という“仕組み”を分かった上で見ていると思う。それも時代の流れなのだから、仕方がない。とはいえ、「そんな仕組みがあるプロレスなんて見てておもしれーかよ?」と聞かれると、私は「面白い!」と自信を持って答える。仕組みがあるからこそ、PRIDEやK-1とは違う魅力があるし、だからこそエンタテインメントとして安心して見られる。それに衰退はしても絶対になくならないと思っている。
 今、チケットを買ってライブで楽しめる=リング上の質の高さという点では、ノアが頑張っている。ノアの興行はまずハズレはない。スター選手も多いし、純粋にリング上の試合だけで十分チケット代金分は楽しめるはずだ。しかし日本のプロレスファンというのは、リング上の“キレイ”な試合だけでなく、リング外の話題……レスラー同士の感情の剥き出しっぷりや、「潰すか潰されるか」の抗争劇というドロドロしたものを好む傾向にある。WWEはこの辺もうま〜くリング上に反映しているのが見事だが、格闘技の試合とはまた違う、ヒリヒリとした緊張感とか「どうなっちゃうんだよ?」という期待感と不安感みたいなものが出せるのは、やはり新日本プロレスしかないだろう(「新日本ができないのなら我々がやる!」とばかりに、上井プロレスもそれをやろうとしているが、あくまでもエンタテインメント性の強いものを望むFEG側とどう折り合いを付けるのか……)。
 最近でいえば草間前社長を中心としたドロドロ具合(上井氏や柴田の離脱〜草間氏自身の解任劇)は、かなりのガチンコっぷりで、それなりに楽しんだ大人のファンもいるだろう。この辺のガチンコな感情をリング上に反映できれば、やはり新日本は面白いはずだ。恐らく現在の新日本の内部も社長が草間氏からサイモン氏に変わったことで、平穏な状態になったというわけではないだろう。○○派、××派に分かれたり、フロントとレスラーの間にも溝があるかもしれない。そして辞めていった者と、去られた側の感情や思惑……これらがストーリーラインに活かされ、他団体を含めて日本プロレス界全体を巻き込むような大きなうねりが起こってくれれば、仕組みがあろうが、試合の質ではノアに敵わなかろうが、PRIDEやK-1とはひと味違う緊迫感と面白さが見られそうなんだよなぁ……

【angle JAPANは休刊中。プロレス・格闘技のニュースや試合リポートは下記のサイトで!】
btln-banner_468-60.gif