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›2006年05月04日

桜庭のHERO'S参戦は、長州の新日本→全日本移籍の再現!?

Posted by TEAM-angle at 16:44 / Category: 【格】HERO'S(ROMANEX) / 0 TrackBack

060504_Sakuraba-1.jpg 4日、都内のホテルでHERO'Sの一夜明け会見が行われたのだが、今回は3日のHERO'S代々木大会のリング上に突如現れたKSマークの入ったタイガーマスク、つまり“ミスターPRIDE”と呼ばれた桜庭和志がHERO'Sに電撃参戦することになった経緯を説明するための緊急記者会見となった。会見の模様はバトル三昧で“会見速報”としてお伝えしているので、ここでは谷川FEG代表、桜庭側の弁護士の話ももとに、その経緯を簡単に説明してみよう。
 3月末をもって高田道場を円満退団した桜庭。その噂を聞きつけて、各方面からジムやマネージメントに関する話が桜庭のもとに押し寄せた。同じく桜庭がフリーになったという話を聞きつけた谷川代表は、個人的に桜庭に思い入れがあり、「一度ご飯でも食べましょう」という連絡を入れる。谷川代表の中には「自分だったら、こうプロデュースしたい」という思いがあったので、その思いを4月中旬に桜庭にぶつけたところ、桜庭側からは友人であり、今後のことについて相談している弁護士さんを紹介される。その後は弁護士さんを通じて色々と話をし、K-1ラスベガス大会を終えて帰国した今週月曜(1日)に、谷川代表が弁護士さんに「どうなりましたか?」と電話したところ「桜庭を交えてもう一度会いましょう」という流れに。
 そして、その席で桜庭自身から酔っぱらいながらではあるが、「ぼくはHERO'Sに行きます」という話があり、翌2日に桜庭と弁護士がDSE榊原代表のところに行って話し合いを持つ。榊原代表は留意を求めたが、「新しいところで心機一転やってみたい」という思いの強い桜庭の気持ちは変わらず。その夜に再び谷川代表に会った桜庭は、目を真っ赤にしてかなり動揺した様子ではあったが、「明日のHERO'Sのリングに覆面を被って上がります。それが一番吹っ切れる」と告げる。
 翌3日、HERO'S代々木大会当日の朝に、谷川代表からHERO'Sの選手、関係者、TBSに桜庭登場を報告。フジテレビと榊原代表にも電話をしたが、榊原代表は留守電だった。だが、PRIDEに関する出場契約はDSEと高田道場が結んでいるものなので、道場を退団した桜庭は契約的にもまったく問題がなかったため、休憩明けにタイガーのマスクを被った桜庭がHERO'Sのリング上に登場したというわけだ。

060504_Sakuraba-2.jpg 谷川代表は引き抜きではないことを再三アピール。桜庭がこれからの格闘技人生をどうしようか悩んでいた時期に、たまたま谷川氏のほうから連絡をして話をした結果、人一倍「格闘技界を盛り上げたい」という思いの強い桜庭がまだ見ぬリングであるHERO'Sに上がってみようかなと思ってくれたのではないかと説明した。
 桜庭自身も「昔、長州(力)さんが新日を辞めて全日に行ったとき、すごく活気づいていたじゃないですか。そういうことをぼくもやってみたい! それで(PRIDEとK-1が)仲良くなってもらえればいいかなと……。ぼくは両方上がりたいと思います。それはその時にキッカケとかあると思うし、その前に仲良くなってもらいたいなという(気持ち)のがあります」と話している。確かにかつて、プロレス界では長州力が新日本プロレスから全日本プロレスに主戦場を移したことで、初めて外敵を迎え撃つことになった全日本、そして長州らの大量離脱をキッカケに一致団結した新日本、お互いが頑張ったことで結果的にプロレス界全体が活性化したという出来事があった。PRIDEでの役目はひとまず終えたと実感した桜庭は、“格闘技界の革命戦士”となり、HERO'Sに主戦場を移すことで、このマット界活性化現象を現代の格闘技界で再現しようと考えたわけだ。
 桜庭の友人として、近くで桜庭を見守ってきた弁護士さんも「道場を退団したあと、本当にいろいろなところから話が来て、本人は相当悩んでいた。もう悩み死しそうだった。その中で自分のできることは何だと考えたとき、格闘技界を大きく変えようという思いがあったと思う。そういう意味で桜庭がフレッシュな気持ちになって、新しい桜庭を見せるにはどうしたらいいのかを友人たちと話し合った結果、我々仲間で背中を押した感じですね。人生の中で一番長い1ヶ月だったと思う。彼はリングを狭く捕らえてなくて、もっと広く色々な意味でやりたいという思いもあって、コレを1つのキッカケにして格闘技界が(いい方向に)変わればなと思っている」と語っている。

060504_Sakuraba-3.jpg いつも陽気で、ニコニコ顔の桜庭が、悩み死しそうなくらい悩んだ結果、出した答えがHERO'S参戦だった。それだけに、3日のリング上ではマスク越しでも緊張しているのが分かった。この日の会見でもキチンと思いを説明しようと練習をしていたそうだが、「(やってみたい選手は)ブラックマンバ」「ブラックマンバとだったら即(試合してもいい)」「ブラックマンバのような選手(を育てていきたい)」「目標はノアの百田(光雄)さんなので、まだまだ(現役で)いこうと思っている」「無差別級GPの選考に漏れたので、ノアに行こうかと思った」「(高田さんには)ひとこと、お前男だ!(と言われました)」など、いつも通りの“桜庭節"が炸裂しまくり。これには横に座っていた前田氏も笑うしかなかった。
 ちなみに前田スーパーバイザーは「彼のような選手は、色々な意味で大事にしていかないといけない。総合が日本でメジャースポーツの一端に加われるかどうかのキッカケを作った最初の選手。悪戦苦闘あったが、彼の出現で日本に総合格闘技は本当に根付いたと思う。自分なんかは総合の取っかかりから始めて、永久に続くようなメジャースポーツになれるように今は邁進するが、自分らがいなくなったあと、桜庭のような人が中心になって後を引き継いでやってもらいたい。だからこそ(現役)選手でいるうちは、100%のポテンシャルを出せるような状況を作ってあげたい。テレビで見ていて、(桜庭が)こういう状況でこういう試合をするのは大変だなと思っていた。マッチメークする側もどういう人がやっているか分からないが、どうなんかなと。(桜庭は)かなりプレッシャーがかかる状況で、結果を出していたのだから大したもの。だから使う側も桜庭に甘えちゃった部分があると思うが、本来もっと伸び伸びと……まだまだ時代を築ける人だし、本来はもっとポテンシャルを発揮できるし、総合の奥深さを知らしめることができる人だし。使う側もそういうのを考えてやらないと。プロモーターというものの基本は、選手が100%のポテンシャルを発揮して、いい試合ができるようなマッチメークをする。それ以外のものに引きずられるっていうのはちょっとね。テレビとか事情は分かるけど。自分らが渡したバトンを、彼の後の世代、彼の目から見て『コイツだ』と思う選手に後を託して、総合がずっと続くように。そういう役割をやってもらいたい。上がるリングは色々あるが、極端に言えば上がるリングはどこでもいいんですよ。彼のポテンシャルが上げやすい、実力を出しやすいところが責任を持ってやればいい。HERO'Sでも、またPRIDEでも。はたまた桜庭君自身が団体を興してもいい。いずれにせよ、彼には次の世代にバトンタッチする役目をしてほしいし、期待しています」と、かなりの期待を込めてエールを送った。

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