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›2006年07月02日

フジテレビなきPRIDE。いつもと変わらぬ風景だが、榊原代表は「不安ばかり」

Posted by JS at 03:00 / Category: 【格】PRIDE・やれんのか! / 0 TrackBack

060701_PRIDEGP-1.jpg 1日、さいたまスーパーアリーナで行われた『PRIDE無差別級GP 2006 2ndROUND』。フジテレビから突然の放送中止&契約解除を言い渡されてから最初のPRIDE。試合前の煽りVTRやフジアナウンサーによる実況などは、PRIDEにとってなくてはならないものになっていただけに、果たしてどうなることはと思われたが、フタを開けてみれば思ったよりも変化はなかった。
 リングアナウンサーなどに変化はなかったし、煽りVTRに過去の試合映像は使われていた。確かに煽りVTRのナレーションの声や作り込み具合に、フジテレビが作ったような重厚感はなかったが、榊原代表が総評で語っていた“急造制作チーム”の割にはかなり頑張ったのではないだろうか。
 そして何より試合が良かった。吉田vsミルコは緊張感のある試合だった。吉田がミルコに組み付いていき、投げようとしたが、何とミルコは踏ん張って耐えてみせ、さらにミルコは自らグラウンドで勝負しようとしてみせる。そして吉田がミルコの左ミドル、左ハイを警戒していると、鋭い右ロー一閃! これで吉田の左膝を破壊し、TKO勝ち。決着こそ微妙だったが、吉田自身もそれは「自分に腹が立つ」と語っていた。

 そして藤田vsシウバは壮絶な殴り合いの末、打ち勝ったシウバが崩れ落ちる藤田に対して容赦ないパンチとサッカーボールキックの嵐。藤田が初めてミルコと対戦した際、タックルに合わされたヒザ蹴りで額を割ってストップされたが、あの時それでもミルコに攻撃しようとした藤田に対して「プロレスラーはあそこからが勝負。止めるのが早い!」という声がプロレス関係者から聞かれた。まさにシウバに殴られまくり、蹴られまくっているのに、なおも足を捕まえようとしている藤田にプロレスラー魂を見たり! しかしシウバは試合後にアバラ骨が折れていることを告白していたが、ヘビー級の藤田相手にアバラが折れているのに打撃でぶちのめすとは、恐るべしだな。

060701_PRIDEGP-2.jpg ジョシュも凄かった。今までお腹周りがプヨプヨだったのが、ある意味ジョシュの特徴でもあったが、今回のジョシュは腹筋が割れるほどのトレーニングを積み、試合前には『愛をとりもどせ』を口ずさみながら入場。総合への高い適応力を見せている巨漢・ハントをいとも簡単にテークダウンさせると、一気に腕と取って捻りあげてタップアウトを奪ってみせた。
 インタビュースペースでジョシュは「自分の作戦ではK-1のようにスタンディングで打ち合うはずだった」「相手の持ち味を十分に出してやろうと思っているし、そうやって相手に勝つチャンスを与えてやるような展開も考えていた」「私がリングに上がって闘うのは38回目なのだが、今まで試合前にナーバスになったことは一度もないし、恐いと思ったこともない。ただ今日は観客から伝わってきたいいエネルギーを受け止めて、そのエネルギーに乗ってやった」「2度目のタックルにいったときが、ハントをスープレックスで投げるチャンスだったんだけどね。今度はノゲイラ、ミルコ、ヴァンダレイのいずれかと対戦することになるけど、このうちの誰かがスープレックスの標的になるよ」と、プロレスラー魂溢れるコメントを連発!
 さらには「ベリームシムシ(蒸し蒸し)。ソリーガイズ。ベリーソーリー、ヒゲソーリー、コイズミソーリー。オヤジギャグ、イツモ」「今夜はハントサンと共にコウサカ(高阪)サンにもいい贈り物をしたいと思っていたので、それができたと思う」「最善尽くしていずれフジメグ(=ジョシュのセコンドについた藤井恵)サンを倒したいと思います」「実はヨドバシカメラにはもう行ったんだ。お土産用と自分用にエアーガンを買ったんだけど、まだゲームを見る時間がなかったので、明日時間があれば新しい『北斗の拳』を買いたいな。自分がケンシロウに近づけるように最善を尽くすよ。まだ南斗聖拳が会得できていないので、もっと技術を身につけないとね」と、ジョシュ語録を連発した挙げ句、インタビューを終えるとマスコミ全員にオリジナルの名刺を配っていった。素敵過ぎ!

060701_PRIDEGP-3.jpg 地上波中継がないこともあって、この日のたまアリには4万4606人もの観客が詰めかけた。高田統括本部長はオープニングで「必ず今日、いつもと変わらぬPRIDEの風景を見ることを確信しています。PRIDEは永遠に不滅です。それを今から証明します!」と言ったが、確かにほとんど変わりなかったように見えた。ちなみに榊原代表は総評で「正直強がりばかりを言ってきましたが、今日を迎えるまで不安でなりませんでした。以前と比べて遜色ないかどうか点は、僕らがジャッジすることではないと思う」と語った。
 また、榊原代表はテレビ問題に関して、改めて「(地上波中継が戻るために)僕が辞めて済むんだったら辞めますし、何が必要なのか……。大きなメディアの力に僕らが正面からぶつかっていっても敵わないと思いますから、自分たちとしてできることを選手と共々やっていけば、心あるテレビマンの人がコンテンツとして目を向けてくれる日が来ると思う。ただ地上波に向けた“格闘テレビ番組”を作る気はない。偉そうなこと言って恐縮ですが、本当にこのライブを中継したというテレビ局さんに挙がっていただきたい。ですから、僕らがいろいろなテレビ局さんを回って『やってくださいよ』という気は毛頭ないです」とコメント。
 「地上波中継がなくてもやっていける」「でもテレビ局にはついてもらいたい」という葛藤が見え隠れするが、「不安ばかりで、自信なんかこれっぽちもない。フジテレビが放送を中止しましたということが、露出が減ったとかそういうことよりも、ネガティブなイメージを持たれてしまったというのが大きい。DSEもちっぽけな会社ですけど、信用とかイメージがある。取引先の中にも『支払いを前払いにしてくれ』とか『ちょっとお付き合いを見合わせてほしい』というところも出てきた。気持ちは分かるんですけど、『理由は何となく』っていう人が多いので、今日の大会が終わって万々歳とはいかないですね」と肩を落として語るシーンもあった。

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