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›2007年07月17日

桜庭や田村の頑張りに刺激されて復帰する船木。「総合格闘技を作り直す!」

Posted by TEAM-angle at 14:42 / Category: 【格】HERO'S(ROMANEX) / 0 TrackBack

070717_HEROS-1.jpg 17日、都内のホテルで『HERO'S 2007 ミドル級世界王者決定トーナメント開幕戦』の一夜明け会見が行われた。会見の前半ではミドル級トーナメントで勝ち上がった唯一の日本人である宇野も出席し、次戦に向け意気込みを語った。前田SVによる総評も含め、会見の模様はバトル三昧で詳しくお伝えしているので、ご覧ください。
 ここでは16日の横浜アリーナ大会で、突如大晦日に現役復帰することを宣言した船木誠勝が、改めて会見に出席して詳細を語ったので、そちらを詳しくお伝えする。復帰を決めた理由に関しては、「去年の秋に桜庭選手がHERO'Sに来たときに、『もうそろそろ桜庭選手も潮時なんじゃないかな』と思っていたが、それでもまだやっている桜庭選手の姿を見て、心が動いたというか……。それに今年の頭になって一緒にトレーニングをしていた柴田選手が総合でデビューする話になって、柴田を通して現役選手の目でもう一度リングを見たときに、まだ自分もやらなきゃいけないんじゃないかなと思いました」と、船木自身が説明。
 インタビュースペースでは大会2日前(今月14日)に谷川代表に復帰することを伝えたと語っていた船木だが、この日は谷川代表には半月くらい前に伝え、大会ギリギリの段階で谷川代表のほうから「本当にいいんですか? 本気なら会場で発表しますか?」という確認をしたと説明された。

070717_HEROS-2.jpg さらに『Dynamite!! USA』で桜庭の出場が危ぶまれたときに、田村に代打出場をオファーしたところ、すぐに決断してくれてロスに来たという話を谷川代表から聞いたという船木は「同じ年代の選手がみんな身を削りながら頑張っているのに、自分だけ解説席に座ってああだこうだと批評をするのはやりきれない気持ちになった。ロスから帰ってきて柴田が試合に向けたトレーニングをするのに、色々な道場に行って自分も一緒にスパーリングをしたら、力が戻っているなと実感した。まだ力があるのであればやるしかない。上がれるリングがあるならそこで闘うしかないと思って、谷川さんにお話をしました」と語り、年齢が近い桜庭や田村の頑張りが復帰への後押しになったようだ。
 何でも柴田と練習をする中で、船木も現役バリバリの総合格闘家とスパーリングをして、一本取るときもあるいう。「ありのままの自分を出せば、見に来てくれるお客さんに損はさせない自信はある。若い選手が『なんであんな年取った奴がやっているんだ!』と思ってくれて噛みついてくれれば、いい活性化になると思う。あと、アメリカに取られた総合格闘技のいい部分をもう1回作り直す」と、やる気十分。今後も柴田とはARMSとして「一緒に強くなろう」と話しているそうだ。
 現在38歳という年齢を考えると、そんなに長いあいだ第一線でやれないのは重々承知の上。その上で「最近は倒しにいく試合が少ないじゃないですか。昨日の試合でも柴田の試合とマヌーフの試合以外は、まだちょっと技の交換になっていますね。やっぱり倒しにいくっていう気持ちですよ。自分は失うものはないですから。一度引退もしているし、そんなに期待もされていないと思うので、そうであれば思い切りできるし、ぶつかっていくという気持ちですね。叩きのめすってことです」と、防御の技術が上がったことで、なかなか極まらない試合が増え、思い切った攻撃が出しずらくなってきている昨今の総合格闘技の中で、自身が「こういう闘いだってあるんだ」とバーリトゥード創生期のようなガンガンいく試合をすることで、総合格闘技を変えていこうというのが狙いのようだ。

070717_HEROS-3.jpg そんな“総合格闘技界の革命戦士”になるために現役復帰を決めた船木に対し、前田SVは「まだ総合格闘技の創世記にもなっていない頃に、悪戦苦闘していたのを思い出した。いま考えたら、よくあんなことができたなと思うが、逆に言えばポテンシャルがいまの選手と全然違う。それにいまの総合はブラジリアン柔術からのアプローチだが、自分たちはキャッチレスリングからのアプローチ。船木も違うアプローチから育った選手なので、リング上で誰もが気付かなかったことができると期待している。この7年は自分の持っている技術や経験を再構築するいい機会だったと思う」と結構期待している様子。
 前田SVにとって船木は、新生UWFの頃から将来のトップ候補として期待を寄せ、その後一度は袂を分かったが、お互いに自分の団体を支えるため、満身創痍の状態で過酷なスケジュールで試合をやってきたという共通点もある。そんな話を感慨深げな表情で語り、船木がヒクソンに敗れて引退を決めたときも「早いな。まだできるのに」と思ったという前田SVは、最後に「いろいろな意味で思い入れのある選手なので、自分もできるだけ協力したい」と全面バックアップを約束した。

 プロレスデビューが早かったため、キャリアや活躍していた時代を考えると、船木は前田SVらと同世代のように思えるが、年齢だけを見ればその下の世代である桜庭や田村と同じになる。今後、船木が桜庭や田村と対戦すことになれば、同世代対決とも上の世代vs下の世代とも取れる面白い展開になるだろう。谷川代表も「この世代にはメインエベンターとしての風格がある」と、まだまだ第一線での活躍を期待している。
 その一方で「引退はもうしないが、絶対に(第一線から)下がっていくときはあるじゃないですか。そのときには、いまの若い選手たちにバトンタッチというか、その頃には絶対にメインエベンターになってもおかしくないくらいになっているはずですし、その下の選手も育っているはず。そのための最後の橋渡し的な“燃料”にはなれると思うんで(復帰を)決意しました」と語るように、今まで日本に総合格闘技を根付かせるため、体を張って頑張ってきた桜庭や田村に、同世代として遅ればせながら協力し、いいカタチで若い選手にバトンタッチしようという考えが船木の中にはあるようだ。

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