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›2008年03月16日

夢の続きになるはずだったDREAMの旗揚げ戦は、“悪夢”のような結末に……

Posted by TEAM-angle at 03:00 / Category: 【格】DREAM / 0 TrackBack

080315_DREAM1-1.jpg 15日、さいたまスーパーアリーナで行われた『DREAM.1 ライト級グランプリ2008開幕戦』。HERO'S+やれんのか!(PRIDE)=格闘技大連立によって誕生した新イベントの旗揚げ戦。地上波放送ではカットされていた入場シーンや試合の詳細、さらに試合後の選手のコメントなどはナイガイモバイル☆バトルをご覧下さい。
 夢の舞台になるはずだったDREAMだが、旗揚げ戦は“悪夢”のような終わり方となってしまった。メインのライト級GP1回戦、青木vsカルバンは本来昨年大晦日の『やれんのか!』で実現するはずだったが、カルバンのケガにより流れてしまい、今回ようやく仕切り直されることになった。
 “会場では”立木文彦氏のナレーションのもと、青木を紹介する煽りVの前に「デンデンデデン」という“あの曲”のリズムが付けられ、試合前から一気に会場のボルテージが上がる。青木も気合いが入りまくった表情で入場。そして試合開始早々、カルバンのハイキックをかわした青木がコーナーに押し込むようにタックルを仕掛ける。事件はここで起こった!
 押し込まれたカルバンが青木の背中にヒジを落としたのだが、2発目のヒジが“偶発的”に青木の後頭部付近に当たってしまい、青木がバタッと倒れ込んでしまったのだ。DREAMルールでは首から下へのヒジ攻撃はOKだが、脊髄や頸椎への攻撃は禁止。会場のビジョンではカルバンがヒジを落とすシーンが何度も映し出されるが、カルバンが故意的に後頭部に落としたかどうかはかなり微妙。
 痺れがあるという青木はダメージ回復のため、3分間のインターバルが取られたが、終始顔を歪めて痛そうにしている。さらに3分間が過ぎても一向に試合が再開される様子がなく、徐々に観客が騒ぎ出す。青木の周りでは中井祐樹をはじめとするセコンド陣、ドクター、レフェリーが何やら協議。そしてついに島田レフェリーと共に中山リングドクターがリングに上がり、青木の腕が上がらないためドクターストップを宣告したことが告げられ、この試合はノーコンテストとなった。

080315_DREAM1-2.jpg 観客の怒号が飛び交う中、リング上にライト級GP1回戦を勝ち上がった6選手が上がり、カメラマンに向かってポーズを取る。その横で青木はコーナーで動けないまま。そしてカルバンもリングサイドの観客や谷川FEG代表に両手を合わせて謝るポーズを取る。大半の観客は早々に席を立ってしまい、残った観客もまばらな中、ようやく青木がマイクを取り「今日、ここまで来てくれた皆さん、本当にスミマセン。僕もやりたいです。でも腕が上がらないんです。PRIDEがなくなってから1年待ちました。でも世界最強を目指してまだまだ頑張ります!」と涙ながらに叫ぶ。
 さらに、リング上から全選手が去っていった中、1人残っていたカルバンも最後にマイクを取って「こんな結果になるとは思わなかった。大みそかに続いて、またファンをガッカリさせる結果になってしまった。たくさんトレーニングを積んで必ず世界最強の男になりたいが、こんな形でなるのはゴメンだ。ゴメンナサーイ!」とお詫びのマイクアピール。2004年8月『PRIDE GP 2004決勝』でのヒョードルvsノゲイラ戦(試合中のヒョードルのケガにより無効試合に)を彷彿させるようなシーンだったが、あの時はヒョードルの傷口がビジョンにアップになった際、誰もが「これは無理だ」と納得できた。しかし、今回は外傷がない分、青木のダメージがどれほどだったのかが観客に伝わらなかったという不幸があった。そのため、何とも異様な光景で旗揚げ戦は幕を閉じることになった。
 試合後、インタビュースペースに現れたカルバンは「(ヒジは)キツく当たったとは思っていないが、私もバカじゃないのでワザとやったわけではない」と、改めて故意ではないことをアピールし、主催者サイドに再戦を組んでくれるようお願いしたことを告げた。
 一方、右腕を吊った状態で現れた青木は、無念そうな表情を浮かべながら「今は何も考えられない、白紙です」と繰り返し、再戦も考えられないという。青木本人は意地でも続行する気だったようだが、青木が「命を預けている」という中井(祐樹)と主催者サイドが無理だと判断したという。
 なお、笹原EPは「ノーコンテストと言ったが、主催者サイドで一旦預からせてもらって再検討する。ビデオで見ると、首の近くに(ヒジが)落ちたのが流れて当たっている。故意か偶発的なのかは、協議陣と検討して後日、正式なものを発表します。その際、試合結果が変わることもあります」と、2回戦に勝ち上がる選手がどちらなのかも含めて改めて検討するが、笹原EP個人としてはライト級GP1回戦として、両者を再戦させたいそうだ(日程的に厳しいが)。

080315_DREAM1-3.jpg 休憩明けには、4月29日の『DREAM.2』で開幕するミドル級GP2008の出場選手として、秋山、大山、金、ミノワマン、ユン、船木、そして桜庭が登場! 何と“あの事件”以来、初めて桜庭と秋山が同じリングに立った。そのせいもあってか、秋山が意気込みを語ろうとマイクを握った途端、場内から大ブーイングが飛ぶ。秋山の声もかき消されるほど。一方、真っ黒のお面型マスクを被って登場した桜庭は「トーナメントの話ですが、スネに小さなかさぶたが出来て血が止まらないので、トーナメントは出ません! でも4月の試合には出ますのでよろしくお願いします」と、意表を突く発言。
 元から「もうトーナメントは嫌です」と公言していた桜庭だけに、秋山と当たる可能性もあるミドル級GP出場は微妙なところ。しかし16選手参加のGPで、まず発表されたのが(桜庭を含めて)7選手。この日、ミルコと対戦した愛弟子・水野のセコンドについた田村あたりは出場濃厚と思えるが、田村もスンナリとGP出場を承諾するとは思えない。
 笹原EPは「(桜庭は)ミドル級トーナメントの顔となる選手なので、出てもらえるよう引き続き交渉していく」と語っていたが、谷川マジックの力を借りたりしないと交渉は厳しいかもしれない。どんな16選手が顔を揃えるか注目だ。

080315_DREAM1-4.jpg 地上波中継では2001年のミルコ戦でハイキックを食らったシーンを何度もリピートされ、会場の煽りVでは「結婚のときは攻められたのか? 自分の攻めたのか?」と克彦に詰め寄り、克彦が戸惑いながら「自分から」と答えると、「それと一緒だよ。自分から攻めなきゃ!」と独特の理論をぶつけていき、観客の笑いを誘った永田克彦の実兄・永田裕志!
 セコンドについた兄の声は2階の客席にまで聞こえるほど。克彦も「甲高いのでよく聞こえました(笑)」と答えていた。さらに克彦は「(兄の声援は)力になるし、いつもハッパをかけてくれる。こういう兄貴がいたからこそ、ケツを叩いてくれるというか心強い」とまで語り、勝利したあとは2人で敬礼ポーズを決めた。だが、残念ながら試合はウマハノフをイマイチ攻めきることができず、試合中からブーイングも飛んだ。それでも何とか判定で勝利しただけに、2回戦ではスッキリした試合を見せてほしいところ。

080315_DREAM1-5.jpg 地上波中継を見るとHERO'Sの雰囲気が色濃く残っていたが、会場ではかなりPRIDEの雰囲気に近いものがあった。残念ながら客席には若干空席も目立ったが(主催者発表1万9120人)、PRIDE出身の選手に大きな声援が飛んだところを見ると、この日の観客はほとんどが元PRIDEファンだったかもしれない。
 テレビではフィーチャーされていなかったが、やはり島田レフェリーへのブーイング、そして太田真一郎、ケイ・グラント、レニー・ハートリングアナによるコールはPRIDEらしさの象徴だ。さらにテレビではナレーションの声が違っていたが、会場では佐藤大輔氏が制作した煽りVに立木文彦氏のナレーションがついていた。これもまたPRIDEらしさの象徴。ナレーションのセリフ自体はほとんど会場もテレビも同じだったが、声が違うだけでああまで雰囲気が変わるというのも驚きだ。
 笹原EPは「事前に相当な量のCMが流れていて、地上波の力というかパワーを実感した。しっかり数字(視聴率)に反映してほしい」と語っていたが、この“PRIDEっぽいけど、PRIDEじゃない。HERO'Sっぽいけど、HERO'Sではない”番組がどのくらいの数字を取るか注目される。また、大会前「新しい価値観を作っていきたい」と繰り返していた笹原EP。旗揚げ戦を終えて、その「新しい価値観のヒントが見えたか」と聞かれた笹原EPは「メインの結果を含めて、“今までないがしろになっていった部分”にキチンと向き合って、“納得していただける形”を見せたい」と、この日のメインのように不本意は形に終わったとしても、その後キチンとした形でケリをつけるというのを、DREAMの新しい価値観の1つだと説明した。また、ジダを殴り倒したアルバレスの名を挙げ、「ニューヒーローの誕生を予感させる」とも語った。

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