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›2008年04月11日

“アイデアマン”高木三四郎の源流がよく分かる『俺たち文化系プロレスDDT』

Posted by JS at 01:20 / Category: つぶやき / 0 TrackBack

OretachiBunkakeiProWrestle.jpg DDTの高木三四郎社長が書いた自伝『俺たち文化系プロレス DDT』(太田出版)を読んだ。仕事柄レスラーの自伝には出来るだけ目を通すようにしているが、個人的にDDTという団体は大好きだし、アイデアマンとして高木社長には前々から非常に興味があった。それだけに待望の一冊! 出来れば私が編集をやりたかったくらいだ(苦笑)。
 とはいえ、私がDDTに触れたのはつい最近と言ってもいい(巻末に付いていた「高木三四郎&DDT年譜」で確認してみたら、会場で見るようになったのは2005年くらいだった)。もちろん専門誌の記事は読んでいたし、DDTという団体がどういうスタイルのプロレスをやっていたかということは知っていた。これはいわゆる“食わず嫌い”というやつだ。子供の頃は新日本と全日本しかなかったし、その後はUWF→K-1やPRIDEと進んでいった私にとって、“邪道”FMWをはじめとするいわゆるインディー団体のプロレスは、どうしても深入りしにくいものだった。

080410_Sanshiro-1.jpg DDTを見たキッカケは、ケータイサイト『バトル三昧』の仕事を始めたからだ。プロレス・格闘技系ケータイサイトとしては後発のバトル三昧は、メジャーなサイトでは比較的扱いが小さいインディー団体に力を入れる方針を採った。そこで“仕事という目線”でDDTを見るようになったわけだが、これがまた仕事抜きにして十分面白かった。見始めた時期もちょうど良かったかもしれない。その頃のDDTには、ドラゲーを辞めたミラノ(のちに新日本所属に)や新日本を辞めたばかりのケロちゃんをはじめ、後藤達俊や長井満也といった“メジャー感のあるレスラー”がDDTに参戦していた。
 それまでインディーがメジャーに触れる場面(=大仁田や大日本勢の新日本参戦など)はいくつもあったが、メジャー出身の選手がインディーの世界に入り込んだ瞬間(=ケロちゃんや後藤がポイズンの呪文にかかった瞬間)を見て、仕事を忘れるほど興奮した。そこには今までインディーに対して否定気味だったあのケロちゃんが、とか、実はその昔新日本道場で後藤とポイズンが同期だったとか、“リアル”なサイドストーリーがあるからこその興奮だ。
 この辺のことを高木社長はこの本の中で、「ファジィがリアルを際立たせ、リアルがファジィを際立たせる。こういう状態をクリエイトできたとき、プロレスは、エンタテインメントとしてとてつもない完成度となる。俺はそう考えている」と書いていた。

080410_Sanshiro-2.jpg 私が個人的に一番興味を持ったのは、上記した通り高木社長のアイデアマンとしての能力だ。プロレス村にいる人は、悪い意味のプロレス頭に凝り固まってしまうことが多い。高木社長がDDTでやっていることは、「プロレスが大好きだから!」という発想だけでは絶対に生まれない。
 以前、高木社長にビジネス畑からやってきた草間(政一)さんと対談をしてもらったときにも、高木社長がただのレスラー兼社長に止まらず、アイデアマンとしてもビジネスマンとしても、高い能力を持っていることをかいま見ることができた。それに今回この本を読んで、“アイデアマン・高木三四郎”の源流がどこにあるのかがよく分かった。ちなみに三四郎さんは本の中で「体育会的な考え方が根強いプロレス界において、常に文化系的な発想を武器にしてきた」と表現している。なるほど。

 インディーのプロレス団体っていうのは、どうしても胡散臭いイメージがつきまとう。DDTをはじめとする各ブランドは、わざとそういう胡散臭さを残している部分もあるが、WBSで取り上げられたり、『マッスル』が地上波の番組を持ったり、高木社長がこうして自伝を出すことによって、ヘタにメジャーの真似をすることなく徐々にステータスを上げている。
 マッスルが武道館進出を狙っているように、ステータスを上がれば、仕掛けもデカイのが出来るようになる。深夜番組も視聴率が良ければゴールデンタイムに進出し、セットもゲストも豪華になる(「あの番組、深夜枠の時代のほうが面白かったな」と言われることも多々あるが……)。いつかDDTには大きな舞台でもの凄い注目を集める中、ぶっ飛ぶようなことをしてもらいたい! この本を高木三四郎&DDTのピークにはしてほしくない。DDTにはもっと大きくなってもらって、その時は私にも何か作らせてほしいっス!

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