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›2008年10月19日

無事に終わり前田もホッ。今後は世間から信用を得て、後楽園ホール進出へ

Posted by TEAM-angle at 21:54 / Category: 【格】RINGS・THE OUTSIDER / 0 TrackBack

081019_Outsider-1.jpg 19日、ディファ有明で行われたリングス主催『THE OUTSIDER 第参戦』。大好評のこの大会も3回目を迎え、選手のレベルや会場の警備も全体的にアップ。全試合の詳細はナイガイモバイル☆バトルをご覧下さい。
 大会開始前、赤ブレザー姿でリングに登場した前田日明リングスCEOは「来年は今年出た選手の中から3人選んで、リングス・リトアニアに腕試しに行かせます」と発表。前田CEOは3大会終えたことである程度の選手のレベルや戦績が分かったこともあり、次回の12・20『第四戦』では戦績を残した者同士やレベルの高い者同士が対戦するマッチメークをし、その中から来年春頃までに3人(5人になる可能性もアリ)の選手を選抜し、リングス・リトアニアが行う『フレッシュマン・ファイト』で試合をさせるという。
 プロ転向や強さを追求する選手にとっては、世界への切符を争うという構図にもなってきたTHE OUTSIDER。旗揚げしたばかりの今年は全体的なレベルを探る査定試合という感じだったが、12月の大会~来年は実力がより拮抗した者同士が対戦し、さらに実力やレベルがアップするようにするという。ちなみに今大会では壱戦、弐戦で見られたセコンド乱入による乱闘も起こらなかった。

081019_Outsider-2.jpg 今大会のMVPに選ばれたのは、第25試合で懲役6年、ストリートファイト無敗という肩書きを持つ江田雄一選手と対戦した、“名門 鈴蘭高校裏番長 格闘彫師”吉永啓之輔選手。
 開始早々打撃戦となったが、そのままもつれるようにグラウンドになると、江田選手はがむしゃらにケンカパンチのラッシュ。ガンガンパンチを振り下ろされた吉永選手だが、それでも下からの三角を狙う。構わずパンチを打っていく江田選手に対し、足を取って逃れた吉永選手。一旦立ち上がってから、またもグラウンドの展開になると、今度こそ三角絞めを極める吉永選手。ガッチリ極まったかに見えたが、江田選手は回転しながら強引に抜け出そうとする。しかし吉永選手は流れるように腕を取り、足のフックは三角のまま十字固めを極めて勝利!
 前田CEOは吉永選手をMVPに選出した理由を、大会終了後に「(THE OUTSIDERの)壱戦、弐戦とキャラクターのある選手に食われちゃいましたけど、戦績的には九州勢とか結構大物食いをしている。彼はZSTでも試合をしているのを見たんだけど、なぜか負けているんですよね。OUTSIDERでやっているようなノビノビした試合をすれば負けるはずないと思うんだけどね。彼は潜在的なものは持っているし、着実さ、冷静さ、極めの強さはしっかり持っていて、あとはもうちょっとパワーがあればね。可能性を感じる選手ですね」と語った。

081019_Outsider-3.jpg ベストバウト賞に選ばれたのは、第21試合の“無傷のインテリジェンスタイガー”秀虎選手vs“アームレスリング九州制覇 豪腕ブルドーザー”上田達也選手の一戦。スピーディーなパンチを打っていく秀虎選手に対し、パワーのあるパンチを返していく上田選手。そこから上田選手がパンチを打ってくるところに、ヒザを合わせていった秀虎選手。
 2R、フロントネックロックを狙った秀虎選手だが、上田選手も極めさせない。しかし上田選手のタックルを切ってパウンドを打っていく秀虎選手。さらにスタンドで右フックの連打を秀虎選手がクリーンヒットさせ、レフェリーはダウンを取る。秀虎選手がラッシュをかける中、一発逆転を狙ってタックルを仕掛けた上田選手だが、タックルは切られてしまい試合も終了。判定の結果、秀虎選手が勝利。試合後、秀虎選手は「スミマセン、変な試合しちゃって」と謝っていたが、観客も十分沸かせた熱戦だった。
 また、敗れた上田選手に関して前田CEOは「負けてしまったけど、まったく総合とかを経験せずに、勝ちにいこうとする執念っていうか、アレはただグレちゃった子がこういう大会に出て、面白い試合をやったというのを超えて、訴えるものがあるますよね。根性とかを上回る執念を持っている子なんで、それがいい方に動いていけるようにしてあげるんじゃなくて、協力したいですね」と語った。

081019_Outsider-4.jpg ベストストライキングテクニック賞に選ばれたのは、第7試合で“唱えよ! 復活の呪文 闘い続ける前橋の暴走柔道王”中村啓紀選手と対戦した、“レジェンドオブ 池袋ウエストゲートパーク リアル刃牙降臨”渋谷莉孔選手。激しい睨み合いから試合が始まると、積極的に蹴りを出していく渋谷選手。何とか蹴り足をキャッチしようとした中村選手だが、鋭い渋谷選手のハイキックが何発もヒットしていく。
 中村選手がダウンを喫した際、出血したためドクターチェックが入ると、その間渋谷選手は奇声をあげながらニヤリと笑う。試合再開後もハイテンションでハイキックを見舞っていく渋谷選手は、パンチを返そうとする中村選手に対してカウンターの左ストレートを叩き込んで2度目のダウンを奪い、見事KO勝ちを収めた。試合後も「ちょっと手加減してたんですけど、弱ぇんだよ! 勝ったから言うけど、利き手の左手を骨折してたんだよ! 俺は誰かと違うんで言い訳しないから、俺は出たぞ! 全員かかってこいや!」とハイテンションで叫んだ。
 ちなみにベストグラウンドテクニック賞に選ばれたのは、MVPにも選ばれた吉永選手。ベストファイター賞には第23試合で、弟がプロ野球ソフトバンクの選手という多村健司選手と対戦し、アキレス腱固めを極められながらも強烈なパウンドをガンガン振り下ろし、結果的にこれが多村選手に大きなダメージを与えてKOで勝利した“国宝級 山梨の殺戮グラディエイター”小川丈二選手が選ばれた。

081019_Outsider-5.jpg 独特な試合展開で会場を沸かせまくったのが、第12試合の“栃木真岡 夜の代表取締役”松本峰周選手vs“鶴見のハリケーン”岩本一貴選手。いきなり夜の蝶を5人もはべらし、毛皮のコートにサングラスという怪しい雰囲気プンプンで入場してきた松本選手だが、1R早々いきなり岩本選手とお互いに目を合わせて、お互いにフルスイングでフックを打ち合う!
 かつてPRIDEで高山善廣とドン・フライが足を止めてお互いに顔面にパンチを打ち合うという試合があったが、この両者の場合は一発ごとに睨み合い、挑発&気合いを入れ、豪快にフックを打ち合うという展開。両者思い切りフルスイングということもあり、なかなか顔面にクリーンヒットとはいかないが、お互いの腕が激しくぶつかり合い、会場は一気にヒートアップ!
 この攻防で両者とも大幅にスタミナをロスしたが、1R終了間際でついに松本選手のフックがクリーンヒットし、岩本選手はダウン! 2Rに入り、両者とも完全にスタミナが切れながらも、お互いに意地でパンチを出していく。スタミナ切れにより大振りじゃなくなった分、顔面にパンチが入るようになったが、意地で倒れない両者。それでも終始前に出て行った松本選手が判定で勝利。試合後、松本選手は「スミマセン、超疲れました。栃木のマイケル・ジャクソンです」というマイクパフォーマンスで観客を笑わせた。
 なお、今大会には体の大きな重量級の選手も何人か出場したが、前田CEOはそのことに関して「重量級は世界とレベルがこんな差が出ちゃったけど、彼らが10代ならまだ可能性はあるかな」と語った。

081019_Outsider-6.jpg 閉会式で各賞の表彰を終えた前田CEOは、「ゆくゆくはオリンピックでメダルを取ってエリートコースを歩むチャンピオンから、OUTSIDERをステップにして羽ばたいた選手がベルトを獲る。そんな選手を作ることができたら自分は幸せです」と選手や観客に向かってマイクで叫んだ。
 その後、控室で記者に囲まれた前田CEOは、まず「第弐戦でちょっとセキュリティ上の問題がちょっとあったんで、今回はさらにキッチリやろうということになった。選手に関しても80%が新規で、20%が継続参戦という形は今回も変わらない。それどころか毎大会ごとに試合が増えていくのが問題ですね。会場のキャパも広げたいんですけど、現実的の問題で後楽園ホールは『貸せない』と。後楽園は遊園地も近いんで、トラブルになるんじゃないかと。とはいえ、『ウチはトラブルは全然ないので貸してくれませんか?』と言ったら、『最低1年間は様子を見せてください』ということでしたね。そんなこんなで地道にこういう大会を積み上げていって、世間一般に信用を得るっていうんですかね。やっぱり世間一般からはぐれてしまった少年が、更正して認められるようになるには1年くらいかかのかな」と語った。この日は会場に後楽園ホールの関係者も視察に来ていたようだが、無事何もトラブルもなく終わったことで、前田CEOもホッとした様子だった。
 さらに他の格闘技イベントの関係者までもが視察に訪れていたが、「ディファ有明を満員にするだけで、何でそんなに驚かれるんだろうと思ったら、この前関係者から聞いた話では、昔だったら後楽園ホールで埋めるのが当たり前だったけど、いまはディファを毎回毎回やって埋める団体がないって聞いて、すっごい驚いたね。俺が世間知らずだったのかも知れないけど、自分自身の選手経験を照らし合わせても500や1000(の会場を)埋められないっていう経験がなかったので、全体がそこまで地盤沈下してるのかってビックリしたね。スクリーンとか余計なものにお金をかけなくても、やり方なんていくらでもあるんで、それはOUTSIDERを見て参考にしてもらっていいですよ。パンフレット1つにしても、ハッキリいってこの値段は利益出なくて、トントンの値段ですよ(苦笑)。選手が持って帰って『こういうのに出たんだよ』って言える、そのためにもしっかりしたモノのほうが思い出になると思うんですよ」と語った。
 そして、最後に前田CEOは「アマチュアの大会に割には警備やなんやでお金のかかる大会ではあるんですけど、その分やり終えたとか、やったという実感があってね。選手(生活)が終わってからプロモーターになって、まぁ選手やってる時から半分プロモーターみたいなこともやってますけど、(THE OUTSIDERではいままで)味わったことのないようなモノがあったりして。それはそれで面白いですね。選手も多種歳々で。ベストテクニック賞の渋谷君とか。それぞれ演じているのか、地なのか分からないけど、強がるってことをみんな分かっているじゃないですか。プロが強がるとか演じるのは当たり前だけど、その前に男というものは強がったりとか、やせ我慢するのが当たり前なんですよ。でも世の中からそういうものが抜けちゃって、さらけ出して弱味を見せて、『大変だね』って言ってもらえばいい(という風潮になっている)。本当に昔の日本人男性で、てっぺんで頑張っていた人なんかは、人の何十倍も努力しても『努力なんかしてないよ』って顔してたし、痛くても『痛い』って言えなかったし、疲れても『疲れた』って言えなかったし。そういう人たちがこの国を作ったんですけど、その“断片”が不良の兄ちゃんたちに残っているんですよ! そういう彼らのツッパリ方っていうのを見るだけでも面白いですね」と、笑顔で語ると葉巻をくゆらした。
 なお、メインで“全日本強化指定特待生アスリート 東京青山最強ウェイター”高橋玲央選手と対戦し、余裕の勝利を飾った“封印解放 アウトレットブルース”川村勝が試合後、突如「リングス、ふざけるな、この野郎!」と叫んだことに関しては、前田CEOではなくリングス関係者が「言葉の行き違いがあっただけで、もう解決している」と説明した。

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