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›2009年03月15日

両国大会で旗揚げ1周年を迎えたOUTSIDER。前田は「順調に来ている。ひと山超えた」

Posted by TEAM-angle at 23:14 / Category: 【格】RINGS・THE OUTSIDER / 0 TrackBack

090315_OutsiderSP-1.jpg 15日、両国国技館でFIGHTING NETWORK RINGSが映画『クローズZERO II』(4月11日公開)とコラボして開催した『クローズZERO II公開記念 THE OUTSIDER SPECIAL』。全試合の詳細やイベントの模様などはナイガイモバイル☆バトルをご覧下さい。
 大会のオープニングでは映画のメイキング映像と共に、「負けっぱなしじゃ終わんねぇ。」という映画のキャッチコピーが、THE OUTSIDERにリンクするような映像が流された。そして映画の三池崇史監督と共にリングに上がった前田日明実行委員長が「自分はこのリングから3年以内にチャンピオンになる奴が出てくると信じています。そして今日がその第一歩、スタートラインとなり、会場に来てくださった皆さんがその目撃者となることを願っています」と挨拶。
 また、前半戦終了後の休憩明けには三池監督、映画に出演している俳優のやべきょうすけさん、映画ではアクションシーンの監修をした前田実行委員長の3人でスペシャルトークショーも行われた。「我々も映画界ではアウトサイダーで、やりたいことをメインの劇場でやれるまで20年ぐらいかかった」という理由からOUTSIDERを応援しているという監督に続き、やべさんは1983年の前田vsオンドーフ戦を見て以来の前田ファンであることを告白。それを聞いた前田実行委員長は「ありがたいやら恥ずかしいやらで」とテレ笑い。
 主演の小栗旬さんや山田孝之さんからのビデオメッセージも上映されたが、全22試合の合間にこういった映画のイベントが挟まった感じだったため、緊張感や期待感が遮断されてしまった部分も否めない。さらにその結果、全体的にかなりの長丁場になってしまい、いつものOUTSIDERとはいささか違う雰囲気の大会となった。

090315_OutsiderSP-2.jpg アマチュアの大会で国技館を使用し、なおかつスクリーンや花道、入場ステージにスモークとライトの演出と、人気映画とのコラボイベントということで、プロの格闘技興行顔負けの演出が施された今大会。その辺もいつもOUTSIDERと雰囲気が違った要因の1つだが、その中でメインを任されたのは、北関東最強極悪暴走族「魔璃闇薔薇(マリアンローズ)」元総長の吉永啓之輔選手と、“インテリジェンスタイガー”秀虎選手の一戦。昨年12月の『第四戦』でもメインで、“最強のブロガー”佐野哲也選手と対戦した吉永選手。この試合では惜しくも敗れたが、前田実行委員長が「プロの試合を含めて、ここ5年間くらいに見た中で一番いい試合だった」と絶賛したほど実力伯仲の好勝負だった。対する秀虎選手も全大会に出場し、申し分ない実力を見せている。第21試合の加藤友弥選手vsアパッチ小次郎選手と並ぶ、“二大頂上対決”である。
 ストライカーの秀虎選手だけに、吉永選手としてはグラウンドに持ち込めば当然有利だが、試合序盤から秀虎選手のパンチが吉永選手の顔面を捕らえていく。吉永選手も必死にパンチを打ち返し、秀虎選手の左目下、頬の辺りがみるみるうちに腫れ上がっていく。だが、秀虎選手が右ストレートが至近距離からクリーンヒットし、吉永選手はダウン。さらに立ち上がった直後、今度は左のパンチがヒットして吉永選手は2度目ダウンを喫し、秀虎選手が勝利!
 試合時間としては1分4秒と短かったが、そのパンチの打ち合いは充分に見応えがあった。試合後、「ありがとうございます。勝ちました。格闘技はまだまだ初心者です。でもやるからにはテッペン目指します!」と挨拶し、MVP(前田日明賞)も受賞した秀虎選手だが、試合後ずっと冷やしていた左目の下は眼窩底骨折してしまったとのこと。一方の吉永選手に関しては前田実行委員長曰く「体のキレとかを見ていると、前回(=佐野戦)のダメージというか疲れが残ってるみたい」とのこと。大会終了後、前田実行委員長は吉永選手に「今度はちゃんと休むんだぞ」と念を押していた。

090315_OutsiderSP-3.jpg ベストバウト賞に選ばれたのは、第18試合の“天下一武闘会のラスボス”出田源貴選手vs“封印開放 アウトレットブルース”川村勝選手の試合。川村選手と言えば、昨年10月の『第参戦』の試合後、マイクを持って「リングスふざけるな!」と言ったり、彼女をリングに呼んで「彼女のためだけに試合をした。ボクをポイしないでください」とプロポーズしたりした選手。だが、数々の抗争事件、懲役を経験した川村選手は出所後に大検を受けて入った大学をキチンと卒業したり、作家デビューをしたり、このTHE OUTSIDERに出たりして人生をやり直している最中。
 そのことが煽りVで紹介された上、今回川村選手が「どうせやるなら一番強い奴と」とリクエストした対戦相手が第一戦では相手が決まらず、第弐戦と参戦では圧倒的な強さを見せた出田選手。その希望通り強敵に立ち向かうことになった川村選手は、開始直後から壮絶な殴り合いを挑む。互角以上に渡り合った川村選手だったが、徐々に出田選手の圧力に押されていく。そして腕が止まった川村選手は顔面にパンチをもらってダウン! その瞬間、レフェリーが試合をストップ。「まだ出来る」とアピールした川村選手だが、出田選手は川村選手に歩み寄って腕を上げて健闘を称えた。
 まさに川村選手の思いを出田選手が真正面から受け止めた上で、殴り勝つというTHE OUTSIDERらしい一戦。そして前田実行委員長が出田選手に勝利者賞を手渡す前に川村選手に声をかけると、納得できたのか川村選手は大応援団の声援を受けながら引き上げていった。

090315_OutsiderSP-4.jpg そしてTHE OUTSIDER人気No.1選手と言えば、もちろん“横濱義道会 初代総長 濱の狂犬”黒石高大選手! 第一戦ではジャーマンを食らった上にスリーパーで壮絶に散り、第四戦では試合前にメンチを切った対戦相手に殴りかかってしまいノーコンテスト。3回出場したうち、3回乱闘騒ぎを起こしている“Mr.OUTSIDER”である。だが、試合前の煽りVでは「やっちゃったなぁって。アレはやっちゃいけなかった」と反省気味の黒石選手が、今まで頑なにやらなかった練習をしているシーンが流される。そんなニュー黒石選手の対戦相手は、何と放送作家をしているという野口悠介選手。日本テレビ『太田光の私が総理大臣になったら…秘書田中。』やTBSラジオ『アンタッチャブルのシカゴマンゴ』の作家をしているという野口選手だが、大会前に番組内で爆笑問題やアンタッチャブルから「勝てるわけがない! 野口は何を考えているんだ」と散々罵られていた。
 さらにアンタッチャブルからは柴田が歌う『粉雪』で入場し、サビの裏声になるところでセコンドと共にコケるというミッションを番組内で与えられていたため、どうなるかと思っていたが、結局別の曲で普通に入場していた……。そして、いざ試合になると黒石選手のハイキックに対して、野口選手はソバットを返す派手な展開に。
 組み付いていって押し倒した黒石選手だが、野口選手は下からの腕十字や三角絞めを仕掛けていく。一旦持ち上げてバスターで脱出しようとした黒石選手。バスターは禁止技のため、一瞬レフェリーが試合をストップしたが、ひとまずそのまま続行され、野口選手はなおも下から腕を取って十字を狙う。だが、黒石選手は手をクラッチして堪え、何とか1Rが終了。
 2R、パンチを出していった黒石選手にタックルを決めた野口選手は、またも三角絞め狙い。黒石選手はその体勢からパウンドを打ち落としていくが、野口選手はパンチをもらいながらもジワジワと三角から腕十字に移行し、黒石選手の腕が伸びた瞬間、レフェリーが試合をストップ。黒石選手が「まだ出来る」というようなアピールをすると、「待ってました!」とばかりに客席から黒石応援団が一斉にリング目がけて猛ダッシュ!
 横濱連合名物の乱闘騒ぎになったが、村上和成らセキュリティ勢も素早い対応を見せ、結局横濱連合が鉄柵を“跨ぐ”ことは出来ず、黒石選手自ら応援団を引き帰らせた。その様子をリング上から見ていた野口選手は懐かしのパーデンネンポーズで記念撮影をした後、「帰り大丈夫でしょうか、僕は?」と不安気にマイクアピール。爆問やアンタからしてみれば、まさかの勝利となったが、今後番組内でどういじられるかも楽しみだ。

 また、第1試合に急遽出場した“烈風の牛若丸”金島欣和選手が、マウントパンチによるTKO勝ちを収めたあとに行った「今年の頭に働いているところが潰れてニートだったんですけど、明日から働けることになって、顔が腫れなくてよかったです」というマイクアピールと、第9試合に出場した“最強保育士”秋山翼選手がヒールホールドで勝利したあとにした、「昨日、卒園式が終わって飛行機で東京に来て、保育園の子どもたちにメダル取ってくるって言ったので、嘘つきにならなくてよかったです」というマイクアピールは、THE OUTSIDERらしからぬ微笑ましい内容だったが、非常に印象深いものだった。

090315_OutsiderSP-5.jpg 大会終了後、前田実行委員長は「やっぱり上(の選手)は拮抗してるんですよ、色んな意味で。逆に中盤が一番面白かった」と、今回は後半戦に常連組で実力が近い者同士の試合が組まれていたが、中盤の新規選手やキャラの濃い選手が出た試合のほうが面白かったと評価。
 約5時間という長丁場になったが、「試合自体は短かったんだけど、通路(花道)の長さと、みんな出てくるのに格好つけてなかなか出てこなかったり、『クローズZERO Ⅱ』のイベント(トークショーなど)もありましたし、時間の余裕がなかったですね」と反省点を挙げた。いつものTHE OUTSIDERと雰囲気が違ったことに関しても「会場が大きかったんでね。大会の印象がディファ有明のときとは違ったよね。反対にどう見えたんだろうと聞いてみたい。どうでしたか?」と、報道陣に逆質問。
 確かにディファのほうが“THE OUTSIDERらしい”と思えるが、かといって両国大会の内容が悪かったかといえばそういうわけでもなく、「よかったですよ」と答えると「よかった? 本当?」と、ちょっと安心した表情に。乱闘騒ぎに関しては「何か風物詩になってるね(苦笑)。あれから別に暴れるわけじゃないしね。いまは携帯動画とかで映像が残るんで、それもあるんじゃないかな?」と、もはや彼らなりに大会を盛り上げるパフォーマンスの1つという認識か。その分、黒石選手の成長ぶりには感心した様子で「練習するようになって、体も大きくなってきてるし。試合は拮抗していたね。レフェリーに聞いたら、(野口選手が)十字行く前に(黒石選手が)パウンドずっとしてたじゃない。あのとき、止めるかどうか一瞬迷ったらしいですからね。ああいう黒石君みたいな子が、努力するってことを覚えるのは大切なことですよ!」と語るように、黒石選手の成長物語は今後もTHE OUTSIDERの見どころの1つになりそうだ。
 THE OUTSIDERも旗揚げして1年が経つが、前田実行委員長は「順調に来てると思いますね。両国をやったことでひと山超えたなって感じがしますね。両国効果で、後楽園ホールは1年間貸してくれないって話だったけど、7月20日空いたんで『使えませんか?』と言おうと思っています。大きいところでやる収入は大きいですよね」といろいろな苦労はあったようだが、その分両国に進出したことは今後大きな効果をもたらす可能性がありそうで、格闘技の聖地・後楽園進出にも再びトライするようだ。
 さらに後半の試合に出ていたような上の選手は、プロのイベントへの出場やプロとの対抗戦なども視野に入れながら、もっと色々とマッチメークを考えるとのこと。また、今大会は全体的にレフェリーやドクターが試合を止めるのが早かった気がしたが、その点については「前回(の大会で)担架(が出る試合が)あったからね。今だから言えるが、救急車で連れていったら脳挫傷もなにもなく、しばらくしたら普通に戻ってね。まぁショック性のアレだったみたい。でも、さすがにちょっとね。昔、練習生を亡くしているんでね。背後からのパンチを禁止にしたんで、試合が膠着するのが多くなったけど、それはもうアマチュアなんでしょうがないですよ」と、幸い大事故にはならなかったが、やはりアマチュアの大会で病院に運ばれるような事態を起こしてはいけないという、安全面を考慮した予防策だと説明した。

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