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›2009年05月27日

崖っぷちで生き残った所に場内感動!川尻が魔裟斗戦をアピール!ジャカレイが悔し涙!

Posted by TEAM-angle at 03:00 / Category: 【格】DREAM / 0 TrackBack

090526_Dream9-1.jpg 26日、横浜アリーナで行われた『DREAM.9 フェザー級グランプリ 2nd ROUND』。地上波放送ではカットされた試合を含む全試合の詳細&試合後のコメント、会場の雰囲気や煽りVの内容などは、ナイガイモバイル☆バトルでご覧下さい。
 観客の中で今大会のMVPに所英男を挙げる人は多いのではないだろうか。HERO'Sではシンデレラボーイだった所は、DREAMになってからはフェザー級を主戦場とし“打倒KID”を掲げたが、KID戦に辿り着く前にKIDの一番弟子である山本篤に完敗。さらに再浮上を狙って挑んだフェザー級GPではDJ.taikiに敗れ初戦敗退という散々な結果に。
 煽りVでは所の親友であるバナナマンの日村が、落ち込む所を叱咤しながらも、DJの負傷による“繰り上げ”で2回戦進出した所を07年M-1グランプリで敗者復活戦から勝ち上がり、見事優勝したサンドウィッチマンに例えて励ます様子が映し出される。とにかくこの煽りVを見ただけでも所が駆け上がった階段から落ちるところまで落ち、これがラストチャンスなんだという雰囲気がビンビン伝わってくる。
 頭を丸め、神妙な面持ちで登場した所のセコンドには、師と仰ぐ前田日明氏や『戦極』で活躍する金原正徳らチームZSTの面々がつき、リングサイドからは“親友”日村も見守る。しかし相手は1回戦で西浦“ウィッキー”聡生を完封した強豪エイブル・カラム。簡単には勝てる相手ではないが、所は序盤でいきなりガッチリと三角絞めでカラムを捕獲!
 早くも勝負あったかと思われたが、さすがはカラム。完全に極まっていたと思われた三角から何とか脱出するとパウンドを振り下ろし、さらに立ち上がってパンチ。カラムにテイクダウンされた所だがオモプラッタで体勢を入れ替える。しかしカラムも所の足を取ってヒザ十字へ。極まったかと思われたが、所は上体を起こして殴っていき辛くも脱出。1R残り1分でマウントを取った所はスッと立ち上がって踏みつけ攻撃!
 2Rに入ると、テイクダウンを狙ったカラムに対し、所は体を回転させて回避。逆にカラムのサイドを取った所は、立ち上がろうとするカラムを上から抑え付けるようにスリーパーを極めていき、ついにギブアップを奪ってみせた! まさに輝いていた頃のような素晴らしい動きを見せた上で、崖っぷちで生き残った所。セコンド陣も歓喜の様子で所に駆け寄り、前田氏も思わずエプロンまで上がって所を祝福。観客も「所の勝利を待っていたぞ! おめでとう!」とばかりに感動した様子で拍手を送った。所は「今日も心折れそうになったんですけど、ファンの声援と練習に付き合ってくれたみんなに本当にありがとうございます。次も精一杯頑張ります」と感極まった表情で挨拶。そして顔をくしゃくしゃにしながらTシャツを客席に投げ込むと、リングを降りて日村とガッチリ握手を交わした。

 フェザー級GPは512日ぶりに復帰した山本“KID”徳郁が、レスリング王のジョー・ウォーレンの執拗なまでのタックルに苦しめられ判定負け。1回戦では得意の足関が不発に終わった今成正成は、ビビアーノ・フェルナンデス相手に今度こそ足関を極めそうな場面はあったものの、最後まで試合がスイングすることなくブーイングの中判定負け。日本人対決となった前田吉朗vs.高谷裕之はやや押されていた高谷が、逆転のパンチでダウンを奪うと一気にパウンドのラッシュで勝利。この結果、準決勝には所、ウォーレン、ビビアーノ、高谷が勝ち上がったのだが、笹原圭一イベント・プロデューサーは「まさしくサンドウィッチマンのように、ここに来て俄然所選手が優勝候補になってきましたね」と語った。

090526_Dream9-2.jpg 鳴り物入りで開催された無差別級のスーパーハルクトーナメントは、煽りVも立木文彦氏ではなく、『あらびき団』でお馴染みのとろサーモン村田が担当し、オープニングセレモニー前に“別枠”のような感じで開催された。
 だが、第1試合でボブ・サップとミノワマンが入場してきた時点から、この日の観客はやたらとノリが良く大歓声。さらにもの凄い体重差をはね除けて“リアルプロレスラー”であるミノワマンが、自ら命名した“フロント逆片エビ固め”(フロントの逆はただの片エビ固めのような気がするが、実際は変形のヒザ十字みたいなカタチ)でサップからタップを奪い、その後にS.R.F.8回を決めたことでいい感じに会場が暖まった。
 さらに第2試合には元メジャーリーガーで45歳にしてMMA初挑戦のホセ・カンセコが登場! メジャーリーガーらしく映画『メジャーリーグ』のテーマ曲である『ワイルドシング』(日本では大仁田厚の入場テーマとしてお馴染みだが)に乗り、まるでこれからバッターボックスに立つかのようにバット片手に入場。さらに帯同してきたブロンド美女(=カンセコからプロポーズされたが返事を保留中!)が客席に向かってボールを投げるおまけ付き。
 だが、黒の道着ズボン姿で試合に挑むカンセコは、メジャーリーガーというよりはガタイのいいラジャ・ライオン的な雰囲気。一方、K-1を休止してMMAに専念することを宣言したチェ・ホンマンも、入場時から以前のような笑顔ではなく終始厳しい表情。前日会見では「正直怖い」と言っていたカンセコだが、試合が始まると懸命にホンマンの顔面目がけてパンチを伸ばしていく。しかし、なにせホンマンの顔面は遠い!
 ホンマンが攻撃に出るとなりふり構わず逃げたカンセコ。そしてロープ際に追い詰められながらも蹴りを出していったのだが、これをホンマンが足でガードすると、カンセコは足を痛めたようでそのまま転倒。すかさずホンマンがパウンドを振り下ろしていってホンマンの勝利。試合後、カンセコは試合前から足を負傷していたことを明かし、今後のことはオファーがあったら考えると語った。笹原EPは「無様な格好を晒したかもしれないが、勇気を称えたい」と語ったが、カンセコの2戦目は果たしてあるのか?
 また、ジャイアント・ノルキアvs.ソクジュの一戦ではレフェリーがストップしているのに、エキサイトしたソクジュがパウンドを止めなかったため、ノルキア側のセコンドであるレイ・セフォーらがリングに雪崩れ込んできてソクジュ側と一色触発の乱闘寸前になったり、ライト級のベルトを返上してこのトーナメントに出場したゲガール・ムサシが、マーク・ハント相手に危なげなく勝利するなど、フタを開けてみたら結構盛り上がった1回戦。ミノワマン、ホンマン、ソクジュ、ムサシが勝ち上がったわけだが、準決勝以降どうなるか楽しみだ。

090526_Dream9-3.jpg 煽りVでは「前門の虎」に“KING OF HERO'S”J.Z.カルバン、「後門の狼」に“KING OF MAX”魔裟斗がいると紹介された川尻達也。あのリング(=HERO'S)の奴に負けるわけにはいかないとしながらも、煽りVでは魔裟斗のインタビュー映像も織り交ぜ、完全にその先の魔裟斗vs.川尻を見据えた感じ。それだけに川尻としては絶対に負けるわけにはいかない。観客も当然それを期待しており、ベストのフードを目深に被って入場ゲートに現れた後、フードを取り去って入場してくる場面ではもの凄い歓声に包まれた。
 しかし相手は強敵カルバン。前に出てきた川尻をガブっていくと、いきなりのフロントネックロック。ガッチリ極まったかと思われたが、何とか首を抜いた川尻はタックルを狙ってくるカルバンに対し、次々にパンチをヒットさせていく。最初のうちはニヤリと笑う余裕を見せていたカルバンだが、テイクダウンを奪われるとしがみついて防御するのが精一杯。2Rに入ると、またもパンチを叩き込んでいった川尻は再びテイクダウンを奪ってパウンド。カルバンも必死にガードして決定打こそ許さなかったが、判定の結果3-0で川尻の勝利。
 不利と言われた下馬評を覆し、ファンの期待に応えて勝利した川尻は「本当にカルバン選手強くて、泥臭くてもカルバン選手に勝ちたくてやったんですけど、中途半端でスミマセン」と謝ると、ファンの声援に助けられたと語り、みんなの後押しを受けて大晦日にライト級のタイトルマッチをやりたいとアピール。さらに「あと今日はK-1からお客さんが来ているみたいなんで、どこにいるか分からないけど、こんな時代なんでね。ガッツガッツンの打ち合いだったら僕にも出来るので、2人で格闘技界を盛り上げましょう、魔裟斗選手! よろしくお願いします」と、公の場で魔裟斗戦をアピール。魔裟斗の姿は見えなかったが、“引退までのラスト2試合”のうち7・13武道館大会ではどうやら川尻との対決になりそうな雰囲気だ。

090526_Dream9-4.jpg 前半、スーパーハルクトーナメントがどの試合もスピーディーな決着だったのと、所や川尻の試合などかなり盛り上がる試合が連発したのに比べると、フェザー級GPの試合が続いて後半戦はやや盛り上がりに欠ける試合が続いてしまった。主役であるKIDも判定の結果敗れるという事態になり、メインイベントに組まれたホナウド・ジャカレイvs.ジェイソン“メイヘム”ミラーのDREAMミドル級王座決定戦の一戦は、約1年前に行われた試合のように名勝負になることを多くのファンが期待した。
 煽りVではこの一戦を「CRAZY MMA」と表現し、「すべてをさらけ出せ、裸のMMA」というナレーションに続き、ジャカレイがあの国民的アイドルが真夜中に叫んだという名言、「ハダカデナニガワルイ」を呟くと、メイヘムが「Oh!」と叫ぶという演出に場内がどっと沸いた。さらにメイヘムは大勢の女子高生を従えてダンスを踊りながら入場し、対するジャカレイも両手でお得意のワニポーズをしながら入場。試合前から十分盛り上げた両者は、いざ試合が始まるとスリングな殴り合いを展開。
 目尻から出血しながらもメイヘムがじりじりとプレッシャーをかけ、ジャカレイをロープ際まで追い込むと、ジャカレイの蹴り足をキャッチして振り払ったところに蹴り! だが、ジャカレイは蹴りをキャッチされた時点でバランスを崩して転倒していたため、メイヘムの放った蹴りは反則となる“グラウンド状態の相手への蹴り”になってしまう。
 さらに運が悪いことに、この反則キックでジャカレイが頭部から出血。一度は試合再開されたもののすぐに出血がひどくなり、再びドクターチェックが入る。苛ついているのかメイヘムがジャカレイに何やら言葉を浴びせると、ジャカレイも睨み付けピリピリムードに。結局、アクシデントによる試合続行不可能のため無効試合となり試合終了。
 不本意なカタチで試合が終わってしまったジャカレイは、インタビュースペースで涙を流しながら「私はDREAMは世界最高のイベントだと思っている。そこでルールを無視した選手が有利になるというのは、とても残念なことだ。何よりファンが一番残念に思っていると思う」と語った。一方のメイヘムは「あのまま試合が進んでいたら勝ったのは俺だ」とジャカレイが言っていたと記者から言われると、「ハハハハハ! (ジャカレイは)ツヨクナーイ。ダイジョーブゥ」とおちょくるように高笑い。
 何とも好対照な両者だが、一色触発になったシーンでは試合前にジャカレイから「お前のことを壊してやる」と言われたのに、ドクターチェックの時点でメイヘムが「どこも壊れてないぞ。全然壊してないじゃないか」と言い返したのだという。両者の因縁はかなり深まってしまったが、笹原EPは早ければ次回大会で再戦を組みたいと語った。

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