プロレス、格闘技、IT、デジタル、iPod、Macなどの情報をお伝えするウェブマガジン[angle JAPAN]

›2009年08月17日

反骨心でG1を制した真壁「時代が俺みたいなレスラーを必要としていたから優勝出来た」

Posted by TEAM-angle at 00:00 / Category: 【プ】新日本プロレス / 0 TrackBack

 16日、両国国技館で行われた新日本プロレス『G1 CLIMAX 2009〜New Lords,New Laws〜』8日目。新日本の“真夏の祭典”G1クライマックスもいよいよ最終日。全試合の詳細&試合後のコメントはバトル三昧をご覧下さい。
 ひと足先に真壁刀義が準決勝でノアの杉浦貴を下して2年連続決勝進出を決めると、もう1つの準決勝ではAブロック1位(同率)の棚橋弘至とBブロック1位の中邑真輔のライバル対決が実現。棚橋の“ハッピーエンドプロレス”に異を唱え、“真のストロングスタイル”を掲げている最近の中邑。この日の中西学を見れば分かるが、前日に中邑のボマイェを食らった中西の右目はドス黒く腫れ上がっていた。それだけ厳しい攻撃をしてくる中邑だけに、棚橋の張り手にはカウンターでグーパンチ。さらに棚橋がドラゴンスープレックスの体勢に入ると、力ずくで振り解き、ハイキックからの飛び付き腕十字。そして三角絞め。
 何とか脱出した棚橋はダルマ式ジャーマンからハイフライフローを投下するが、中邑はかわして自爆させるとリバースパワースラムからランドスライドの体勢へ。これを逃れた棚橋はスリングブレイドからコーナーへ。しかし、すぐに起き上がって追いかけていった中邑。一度は叩き落とした棚橋だったが、下からハイキックで蹴り上げた中邑は雪崩式ランドスライドで危険な落とし方をすると、朦朧としている棚橋にボマイェを叩き込んで勝利。
 今年のG1、IWGPヘビー級王者としてほとんどの大会でメインを務め、連日激戦を展開してメインイベンターの役割をもキッチリ務めてきた棚橋だったが、宿敵・中邑のヒザが「IWGP王者にしてG1制覇」という偉業を打ち砕いてみせた。敗れた棚橋は「一番負けたくない相手に負けてしまった。しかもこの大事な舞台で。全国の棚橋ファンの皆さん、ごめんな」と言うと、病院に直行した。

 この結果、今年のG1優勝決定戦は真壁刀義vs.中邑真輔というG・B・Hvs.CHAOSの頂上対決に。真壁が試合前にセコンドの本間を下がらせると、中邑も矢野を下がらせたため、G・B・Hvs.CHAOSというよりは雑草vs.エリートどちらが先にG1を初制覇するかという意味合いが濃くなった。
 グラウンドの展開から一転して左右のハイキックを叩き込んでいった中邑は、準決勝の杉浦戦で流血した真壁が額に巻いていた包帯を剥ぎ取ってナックル攻撃。これで再び額から流血した真壁に対し、中邑はミドルキックで何度もダウンさせていくが、その度に真壁は立ち上がり、「来い、来い」と挑発する“刀義アップ”を見せる。そしてナックルで反撃した真壁はラリアットを連発。さらにノーザンライト・スープレックスやパワーボムを繰り出していくと、場内は大「真壁」コール。
 すると中邑は真壁がラリアットに来たところを飛び付き腕十字で切り返す。上体を起こして顔面を踏みつけて脱出した真壁だが、中邑はこれで痛めた真壁の右腕を徹底的に蹴ってから再び腕十字へ。完全に極まったかと思われたが、根性で耐えた真壁は何とかロープに脱出。しかし中邑は真壁のショートレンジラリアットをエルボーで迎撃すると、タイガースープレックスからのランドスライド。
 カウント2で返した真壁だが、中邑は後頭部にボマイェを叩き込むと、トドメの正面からのボマイェ! だが、これを両腕でブロックした真壁はダブルハンドハンマーで中邑をなぎ倒し、ジャーマンで投げていく。痛む右腕で串刺し後頭部ラリアットを叩き込んだ真壁は、中邑をコーナーに乗せていく。中邑も必死で踏ん張るが、真壁は鉄柱に中邑の頭を叩き付けてからスパイダージャーマン! そのままうつ伏せに倒れた中邑の後頭部にキングコングニーを投下した真壁は、フォールにはいかず再びコーナーへ。そして仰向けになった中邑にダメ押しのキングコング・ニードロップを投下して3カウント!
 雑草がエリートを下して悲願の初優勝を達成! そんな真壁に表彰式では、恩師的存在である山本小鉄相談役から賞状が手渡された。その瞬間、若干照れくさそうに苦笑いした真壁の頬を小鉄さんがペチペチと叩いたのが実に印象的だった。
 優勝トロフィーを受け取った真壁は、それでも観客に向かって中指を突き立てたが、アナウンサーからマイクを向けられると「今年はよ、どうしても負けられなかったよ。負けられなかった。やっぱりよ、矢野の野郎がいたときの旧G・B・Hで準優勝だからよ。奴らがいなくなった途端によ、予選リーグで負けていたらしょうがないだろ?」と昨年準優勝だったのに、今年は矢野たちに裏切られて本間と2人きりになってしまった状態だっただけに、昨年以上の成績を収めたかったという胸の内を吐露。
 それでも前半は2敗1分けという最悪のスタートだっただけに、「たぶんよ、九分九厘の人間はもう真壁は終わりだと思っただろうな。そう思われれば思われるほど、いやそう言われれば言われるほどよ、腹の底からこみ上げてくるんだよ、コンチクショーって思いが!」と持ち前の“反骨心”を吐き出したのだが、随所で好フォローを見せた盟友・本間に対しては「俺がここまで上がってくるのに俺一人の力じゃどうしようもなんねぇよ。だからある意味、本間のお陰かもしんねぇな!」と感謝の言葉。
 さらにいつの間にかヒールの真壁に、中邑よりも多くの声援が送られるようになっていたが、そんなファンに向かって真壁は「ホントはよ、お前らみてぇな奴らには死んでも言いたくねぇんだよ、死んでも言いたくねぇけどよ、今回は……ヘッ、サンキューな」とニクいことを言うと、「G1覇者……G1覇者と言ったら何だか分かっているよな? オイ、次はよ、棚橋! テメーのベルトだぜ! いいか、いまの気分は最高か、最低かって聞かれたら最高だよ! そんでもって俺はよ、最強だよ!」と叫んで今年のG1を締めくくると、また中指を突き立てた。

 準決勝まで全勝だったが決勝で惜しくも敗れた中邑は、「G1で俺はストロングスタイルを、新日本プロレスを貫き通してきたつもりだ。立ち位置が上がったし、モノの見え方も変わる。でも俺は貫き通してきた。躓いて転んだら、また立ち上がればいい」と、ある程度自分の目指すスタイルが貫けたことで前向きな発言。
 一方、控室の前でZERO1『火祭り2009』の優勝者・崔領二に「夏の熱い男は1人でエエんや!」と挑戦状を叩き付けられた真壁は、「やりてぇならやってやる!」と返事すると、火祭り刀を突きつける崔を無視してそのまま控室へ。本間だけでなく、永田や中西といった本隊のメンバーにも祝福された真壁だが、「中邑は徒党を組んでいるから中途半端。俺はプロレスラーだ。群れた覚えは一度もねぇ! それで今の位置を築いたんだ。それが全部カタチに出ただろ」と、決して本隊に合流したわけでなく、“G・B・Hの真壁”として優勝したことを強調。
 次なる標的として、棚橋の持つIWGP王座への挑戦を表明した真壁だが、「G1が次期挑戦者決定戦みたいに言われるのがシャクでしょうがねぇ! そんなレベルじゃねぇんだ!」と『チャンピオン・カーニバル』を制した際の鈴木みのると同じような発言。だが、「今回(棚橋と)ドローカマして目が覚めたよ。追い込まれれば追い込まれるほど燃えたぎってくる。反骨心が俺の強さだよ。長年どうしようもなく鳴かず飛ばずで、頑張っても頑張ってもダメ。それでアキレス腱を切って……あれも(相手は)因縁の中邑だよ。俺はあの時、終わったと思った。だけどひと旗あげたくてプロレスラーになったんだ。こんな小さい頃プロレスラーになりたくて、夢に見るほどだったんだ。
 そして現に俺はプロレスラーになったんだ。誰に夢を見せるんだよ? 見ている奴(=ファン)だけだろ? あとは自分自身だ。人に夢を与える奴が、自分で夢を見ないで夢なんか与えられない。分かってんだろ? どいつもこいつもなんちゃってヒールに、なんちゃってベビーフェイス。虫酸が走るんだよ! こんな時代だからこそ、何で俺が優勝したか分かるか? 客の後押し、それもある。俺の実力、それもある。あとは何だ? 時代が俺みたいなバカな奴を必要としているんだよ! こういうプロレスラーを! 夢のねぇ時代だろ? だから夢を持つんだよ! 勘違いするなよ。俺はヒールでもベビーでもねぇ。そんなもん超越した者なんだよ! 甘く見たら大ケガするぞ!」と子供頃からなりたかったプロレスラーになり、どん底からここまで這い上がってきたからこそ、G1制覇とIWGP王座奪取という夢にこだわるという熱い思いを一気に吐き出した。
 小鉄さんに祝福されたことを「不思議だよな。昔は尊敬したけど、G・B・Hを創ったときは『クソジジイ』って言ったのに、それがまた仲間割れで立ち位置も変わって、山本小鉄が『よく頑張ったな』って俺を祝福してくれた。アノ人は大人だよな。ある意味、嬉しいと言ったら嬉しいかもな」と語り、賞金の1000万円を「俺が貯金しちゃダメだよな(笑)」と言って豪遊して使うと宣言した真壁。さらに「俺の中ですべてが俺にマッチしている。これに異を唱える奴はかかってきなさい。今度から追われる立場だろ。不思議と俺は棚橋を狙っているけどな」と言ってニヤリ。今まで散々先を行く後輩の棚橋を追ってきた真壁だけに、「俺は先輩として悔しかったよ」と本音を吐露。これまで何度となく大事な場面で棚橋と対戦してことを「不思議だよ」と感慨深げに語りながらも、「こればかりは勝負だよ。棚橋も同じことを言うよ。だけど感慨深いなんて、そんなもんねぇよ!」と言い切った。
 最後に真壁が新日本に入門した頃、新日本のトップだったのは故・橋本真也さんだったが、ようやく同じ立場に追いついたことを聞かれると、「いい質問だ。UWF(インター)の高田(延彦)からベルトを獲ってヒーローキメてるときだよ。ある意味、憧れだよな。武藤でも、蝶野でもねぇ、橋本なんだよ。アノ人にしごかれて、食らわされたこともあるぜ。その度にぶっ殺してやろうと思ってたよ。早くあの頂点まで上がりてぇと思ったよ。結果的に上がったけど、タダ事じゃねぇよ。本当にスゲェと思ったよ、このレベルに来るまで。でもこれで並んだ。次はIWGPだ。これを獲ったら完璧に並ぶよな。今の夢はそんなものだ。俺の先人たちを叩き潰すことだよ!」と、IWGP王座を奪取した先の“夢”として、橋本さんをはじめとする偉大なる先人たちを超えることを挙げた。

【angle JAPANは休刊中。プロレス・格闘技のニュースや試合リポートは下記のサイトで!】
btln-banner_468-60.gif