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›2009年12月06日

最強の外敵を下して観客を熱狂させたバダ・ハリだが、シュルトに敗れ政権交代ならず!

Posted by TEAM-angle at 03:00 / Category: 【格】K-1 / 0 TrackBack

091205_K1WGP-1.jpg 5日、横浜アリーナで行われた『K-1 WORLD GP 2009〜FINAL〜』。地上波放送ではカットされたダニエル・ギタvs.セルゲイ・ハリトーノフ、タイロン・スポーンvs.京太郎をはじめとする全試合の詳細、試合後のコメントなどはバトル・ニュースをご覧下さい。
 今年の流行語大賞に選ばれたのは「政権交代」だったが、ワールドGPの決勝に勝ち上がってきたのは“絶対王者復活”を目指すセーム・シュルトと“K-1新世代の旗手”であるバダ・ハリ。今年5月にオランダで行われた『IT'S SHOWTIME』で行われた一騎打ちではバダ・ハリが劇的な1RKO勝利を収め、昨年のGP決勝でやらかした大失態をある意味帳消しにしてみせた。ここで再びスリータイムス・チャンピオンに勝つことが出来れば、間違いなくK-1新時代の扉が開き政権交代となる。
 17626人もの観客はオランダでの劇的KO劇が、日本で再現出来ることを期待している様子。準決勝でシュルトと対戦したレミー・ボンヤスキーも懐に飛び込んでパンチを顔面に突き上げてシュルトからダウンを奪っており、当然バダ・ハリも飛び込んでいってパンチをブン回す。何発かシュルトの顔面を捕らえたものの、今回先にパンチをクリーンヒットさせてダウンを奪ったのはシュルトのほう! それでも立ち上がって前へ前へと出て行ったバダ・ハリだったが、今度はシュルトのハイキックがクリーンヒットして2度目のダウン。
 決して打たれ強くはないバダ・ハリだが、それでも気合いの入った表情で立ち上がってみせる。だが、シュルトのミドルキックにバダ・ハリがパンチを合わせた瞬間、シュルトのつま先がバダ・ハリの鳩尾にヒット! 苦痛に表情を歪ませて崩れ落ち試合終了。政権交代はあと一歩のところで実現せず。逆にシュルトは98年にピーター・アーツが達成した3試合連続1RKO勝ちという偉業で、アーネスト・ホーストと並ぶ4度目の優勝を飾ってみせた。
 シュルトが満面の笑みで腰にベルトを巻いたり、頭に月桂樹を乗せているあいだ、コーナーで項垂れていたバダ・ハリをセコンド陣が慰めている姿が実に印象的だった。そんなバダ・ハリにアーツが声をかけて、そっと抱きしめた。インタビュースペースでバダ・ハリは、ベストコンディションで決勝のリングに上がれたにも関わらず、敗れてしまったことに関して「比較は出来ないが単純に運という部分では、5月は自分に運が向いたが、今日はセームに運が向いた」と語った。一方のシュルトは「価値のないチャンピオンだと言われていたが、改めて自分の価値を証明できたんじゃないか」とコメント。

091205_K1WGP-2.jpg この日、会場が一番最初にどよめいたのは、実は大会開始前。いつものようにレフェリー、ジャッジ陣が観客に紹介されたのだが、現在謹慎中の角田信朗競技統括プロデューサーに代わって紹介されたのは、石井教義(和義)氏! 特別競技統括プロデューサーとして石井が紹介された瞬間、場内からどよめきが起こった。思わぬカタチで突然の表舞台復帰となったが、谷川EPによると「(石井氏)本人の希望で。ルール説明も石井館長の発案でした」とのこと。しかも早速特別競技統括プロデューサーとしてリングに上がった石井氏は、選手を使ったK-1インターナショルルールの実技説明を約15分間に渡って行った。
 時には身振り手振りを織り交ぜながら、丁寧に分かりやすくK-1ルールを説明した石井特別競技統括プロデューサー。さらに「足をかけて倒す行為は、よくアリスター選手なんかが使っていますが、反則です!」と久しぶりに“石井節”も復活! 原点回帰&インターナショナル化を掲げる昨今のK-1だが、ついに“K-1の創設者”が表舞台に戻って来た。
 だが、そのルール説明がある意味で仇となったのが、準々決勝で行われたアリスター・オーフレイムvs.エヴェルトン・テイシェイラの一戦。MMAvs.極真世界王者という異種格闘技戦のような緊張感に包まれた試合だったが、アリスターは開始早々首相撲に捕らえると、まずボディにヒザを一発入れ、テイシェイラのガードがやや下がったところで、顔面にヒザをもう一発! これでテイシェイラは目を見開いたまま前のめりに倒れ、失神KO! わずか66秒でアリスターが勝利した。
 しかし石井特別競技統括部長がルール説明で、首相撲からのヒザ蹴りは一発までということを言っていたのに、アリスターは首相撲の体勢からヒザ蹴りを2発入れているのだ。会場のスクリーンで流されたフィニッシュシーンのスローVTRで見てみると、1発目はレフェリーの死角になっているようにも見える。一部の観客もそのことに気付き、「ルール説明のとき、首相撲からの攻撃は1回までって言ってなかったっけ?」「じゃあ反則なんじゃないの?」と囁く声も。この件に関してテイシェイラは「チームメイトもそのことを言っていた。確かに違反だが、相手が反則をしたとしてもすべてに準備を整えてこそ」と言い訳はしないという感じ。一方のアリスターはとくにその部分について言及していない。谷川貞治イベント・プロデューサーは「極真サイドが抗議するか分からないが、テイシェイラ選手の負けは反則ギリギリだと思います。掴んだまま2回攻撃しちゃいけなので、ちょっと微妙だったなと思います」とコメントした。

091205_K1WGP-3.jpg だが、そんな微妙な攻撃というのを差し引いても、アリスターの強さが驚異的なのは疑う必要はない。そもそもアリスターがK-1にとって最強の外敵となったキッカケは昨年大晦日の『Dynamite!!』でバダ・ハリとK-1ルールで対戦した際に、あっさりとKO勝ちを収めたからだ。そして両者の再戦がこの日の準決勝で実現! バダ・ハリとしては悲願のワールドGP優勝の前に、アリスターにはキッチリ借りを返しておきたいところ。
 事実上の決勝戦と言ってもいい、このトーナメント最大の山場ということで、試合直前に行われたAKB48によるハーフタイムショーが終わった瞬間から、場内の空気が一気に上昇していく。異様な緊張感の中、まずはバダ・ハリが突っ込んでいくが、アリスターはその桁外れのパワーで体重をアップしてきたバダ・ハリを簡単に突き飛ばしてみせる。しかしバダ・ハリもアリスターがテイシェイラをKOしたヒザ蹴りを狙ってもフックで払いのけていく。
 そしてアリスターにコーナーまで突き飛ばされたバダ・ハリは立ち上がった直後、パンチを打とうとしたアリスターの顔面にカウンターで右フックをブチ込んでダウンを奪う! 場内は一気に沸き上がり、「バダ・ハリ」コールまで起こる中、バダ・ハリはラッシュをかける。アリスターは必死でガードを固めながらも、大振りのバダ・ハリに一発逆転のカウンターを叩き込もうと、顔を覗かせる。しかしバダ・ハリはそこに左ハイキック一閃! アリスターは倒れこそしなかったが、ヨロめきながらコーナーにもたれ掛かり、レフェリーはここで試合をストップ!
 トーナメントルールは決勝以外2度のダウンで試合終了のため、これでバダ・ハリの勝利! その瞬間、観客は総立ち! リベンジに成功したバダ・ハリは笑顔を見せることもなく、厳しい表情のままリングを降りて決勝へと駒を進めたのだが……。敗れたアリスターはこれでバダ・ハリとは1勝1敗となったため、決着戦に関して「ぜひやりたい。K-1のリングは楽しいので、リマッチも楽しみにしている」とコメント。だが、谷川EPによるとアリスターは「K-1はもういい、MMAをやらせてほしい。バダ・ハリともMMAでやりたい」と言っていたそうだ。

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