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›2009年12月13日

運命の決勝戦が実現!佐野にリベンジした吉永がOUTSIDER初のトーナメントを制す!

Posted by TEAM-angle at 22:23 / Category: 【格】RINGS・THE OUTSIDER / 0 TrackBack

091213_Outsider9-1.jpg 13日、ディファ有明で行われたFIGHTING NETWORK RINGS『THE OUTSIDER 第9戦』。OUTSIDER初のトーナメントとなる65-70kgトーナメントもいよいよ準決勝〜決勝へ。全試合の詳細はバトル・ニュースをご覧下さい。
 決勝まで勝ち上がってきたのは、“第4回大会MVP リアル神代ユウ”佐野哲也選手と“北関東最強暴走族魔璃闇薔薇元総長 格闘彫師”吉永啓之輔選手の2人。トーナメントが始まるとき、この2人の決勝戦を期待していた者は多いと思うし、実際本人たちもそういう願望はあっただろう。しかし、これだけ実力が拮抗している選手が参加したトーナメントで、本当にこの2人が決勝まで勝ち上がってくるというのは凄いこと。
 両者はちょうど1年前の第4戦で対戦しているが、そのときは終始押されていた佐野選手が残り1秒で劇的な逆転勝ち。前田日明代表が「プロの試合を含めて、ここ5年間くらいに見た中で一番いい試合でした」と大絶賛した試合だった。あの名勝負の続きが実現するのだ。
 さすがのOUTSIDERの観客も試合前にはぐっと緊張感が高まっていく。吉永選手が仲間たちと円陣を組めば、佐野選手も気合い満点の風香ポーズ。そして前田代表が認定宣言をして、新調されたチャンピオンベルトを披露すると、佐野選手はまじまじと近くで確認し、吉永選手は祈りを捧げる。さらにリングスのトーナメント覇者にはお馴染みの“ウイニング・ローレル(金の月桂樹)”も復活!
 まさしく舞台は整い、いざ試合開始。まずは打撃で出る佐野選手に対し、吉永選手は自ら引き込んでグラウンドに持ち込む。下からアームロックを狙った吉永選手だが、何とか脱出した佐野選手。その後もグラウンドに引き込んでいく吉永選手だが、佐野選手もそう簡単には極めさせない。2Rに入ると、佐野選手は蹴りとパンチで吉永選手に組み付かせないようにする。
 だが、接近した吉永選手は今度は引き込まずに首相撲からのヒザ蹴り! これが顔面やボディにグサリと刺さり、佐野選手はうずくまるようにダウン! 何とか立ち上がった佐野選手だが、吉永選手は左ハイキックを叩き込むと、再びヒザ蹴り。明らかにダメージのある佐野選手は背後のロープのほうにグラリ。吉永選手がダメ押しのパンチを放っていったところで、レフェリーが割って入って佐野選手のスタンディングダウンを取り、これで2ダウンとなったため吉永選手の勝利!
 その瞬間、悔しそうな表情で大の字に倒れ込んだ佐野選手、対照的にセコンドに肩車されてガッツポーズする吉永選手。吉永応援団はいまにもリングに雪崩れ込みそうなほど熱狂! 場内には「応援団の方は席に戻って下さい! 指示に従わない場合は勝利を取り消します!」という異例のアナウンスが響き渡るという、最後までいかにもOUTSIDERらしいトーナメントとなった。

091213_Outsider9-2.jpg 試合後、これで佐野選手とは1勝1敗になったことで、記者が「決着戦をやりたい気持ちはありますか?」と質問したところ、「いや別に、僕は全然ないですよ(苦笑)。向こうがまだやりたいって言うのならやるし」と実に王者らしいコメント。これで多くのOUTSIDER戦士から追われる立場となった吉永選手だが、「1回戦で勝ったときからずっと、いろんな人に追われてるみたいなこと言われているんで、田舎者がバカにされないよう精進します」と自信と充実感に溢れたいい表情で語った。
 吉永選手はこの日の準決勝では、普段は仲がいい“川口連合第十代総長”武井勇輝選手と対戦。準決勝は1ダウンで終わりという緊張感のあるルール。第8戦で拳を骨折した武井選手だが、傷も癒えたようだしハードパンチャーなだけに吉永選手を相手にしても、ノーガードで挑発してみせる。一発もらったら終わってしまうため慎重に構えた吉永選手だが、ワンツーで一気に前へ。後退した武井選手はロープを背にしたところで、タックルを狙って身を屈めたのだが、そこに吉永選手のヒザ蹴りがドンピシャでヒット! 吉永選手が電光石火のKO勝ちを収めた。
 一方の佐野選手も「負けたら引退」と宣言していた“天下一武闘会の大目付”野村剛史選手と対戦。野村選手に押し倒されてテークダウンを奪われた佐野選手だが、うまく体勢を入れ替えて上になると、野村選手は下からの三角絞め狙い。これが完全には極まっておらず、脱出に成功した佐野選手は一気にパウンドを連打。ここでレフェリーが試合をストップして佐野選手が勝利。
 先に決勝進出を決めた佐野選手は、まず野村選手に「野村さん、三角絞めびっくりしましたよ。でも、こんなので引退とかないですよね! もう1回僕とやってもいいですよね」と訴えかけると、「1年前の12月20日、あの続きをもう1回やりましょう、吉永さん!」と宣戦布告。このことについて吉永選手は大会終了後、「前回自分が負けているんで、自分のほうから挑戦するなら分かるんですけど、勝った佐野君のほうからの挑戦も今回はデカかったんで、今回気合い入れて。同じこと2回やって負けられないんで、気持ち乗ってました」と語っている。
 吉永選手vs.佐野選手はまさしく“筋書きのないドラマ”。試合展開、お互いのライバル意識、観客の期待度、対戦に辿り着くまでの過程、すべてがドラマチックなのだ。もはやこの2人の対決は、THE OUTSIDERの歴史の中で外すことが出来なくなった。タイトルマッチにはならないが、今度はワンマッチで王者・吉永選手に佐野選手が挑んでほしい。恐らくそういう機運が高まる時期が来るのではないだろうか? いよいよ来年一発目がもう第10戦となるTHE OUTSIDERだが、吉永vs.佐野の名勝負数え唄と、“Mr.OUTSIDER”黒石高大選手の成長ストーリーは“THE OUTSIDERには欠かせない柱”になっている。

091213_Outsider9-3.jpg トーナメント以外のワンマッチで注目を集めていたのが、まず第12試合の“日本海福井 最強格オタ”北中秀一選手vs.“陸の王者からの刺客 若き血 慶応義塾最強ボーイ”鯉沼衆斉選手の一戦。OUTSIDER初参戦となった鯉沼選手は、英検準1級にTOEIC700点の19歳! ただし格闘技の実力は不明! 慶應ボーイが見るからにイカつい北中選手とどんな試合をするのかと注目される中、まずは北中選手がいきなり大振りのパンチをブン回していく。うまくかわして反撃しようとした鯉沼選手だが、それでもブン回した北中選手の右パンチがクリーンヒットしてダウン!
 慶應ボーイ秒殺負けかと思われたが、逆にパンチを振りまわして反撃。最初にいきなりエンジン全開で飛ばしてしまった北中選手は早くも疲れが見え始めるが、前に出てくる鯉沼選手にパンチをうまく当てていく。ところが、ロープ際に追い詰められた北中選手に、鯉沼選手の右フックがついにクリーンパンチしてダウン! 何とか立ち上がった北中選手だったが、鯉沼選手は一気にパンチを乱打していき、2度目のダウンを奪って逆転勝利! 試合後、慶應ボーイは亀田興毅ばりに「シャアー!」と絶叫した。

 第1試合に出場した“ブログ大炎上男 ザ・ダイコン”キング・ミダラ選手は、『ゴッドファーザー〜愛のテーマ』の乗り、お馴染みのダイコンの着ぐるみの上からゴッドファーザーばりのスーツを着て登場。ステージ上でそれを脱ぎ捨てると、前回の『池袋ウエストゲートパーク』のKING風の金髪頭ではなく、真っ黒な短髪となった姿を現した。
 相手は“東京最強激戦区 池袋 弐双龍の龍帝”SHIN選手だったが、終始グラウンドで試合を優位に進めたのはミラダ選手。2Rには堪らず、SHIN選手がミダラ選手の腕十字を脱出しようと反則技の踏みつけ攻撃を出してしまうほど。結局、3-0の判定でミダラ選手が勝利したのだが、S・S・マシンばりに「何も言うことないです。ショッパイ試合をしてスミマセンでした」と言って声を詰まらせた。
 また、第3試合に出場した“和製ヴァンダレイ 鋼の喧嘩術師”友田隆志選手のセコンドに、ブログを中心に格闘技界を騒がせている高瀬大樹がつき、一部の観客をどよめかせた。

091213_Outsider9-4.jpg 個性的なキャラのぶつかり合いとなったのが、第17試合“リアル刃牙”渋谷莉孔選手vs.“ヨコハマ・メタルシティ 陵辱のバッドチューニング”土橋政春選手の試合。前田代表から格闘技センスを評価されている渋谷選手だが、最近なかなか勝ち星に恵まれていない。一方、第3戦で勝利したあと、「1年半セッ○スさせてくれた彼女に感謝したいです。3日もオ○ニー我慢したんで、家に帰ったら今日のことを思い出していっぱいオナ○ーしたい」と伝説のマイクアピールを行った土橋選手は、今度は入場時にファールカップ一丁で入場してきた! 緑に染めた髪といかつい表情なのにケツ丸出しでリングインした土橋選手は駄々っ子のように足をバタバタさせたあと、ようやく試合用のトランクスを着用。
 キレのあるローキックを打っていく渋谷選手に対し、土橋選手はバックブローからのタックル狙い。だが、渋谷選手は完全に土橋選手のタックルを見切り、テークダウンを許さない。2Rあたりから渋谷選手のローキックが効いてきた様子の土橋選手だが、ようやく執拗なタックルでテークダウンを奪う。バックマウントからスリーパーを狙った土橋選手だったが、カメになって防御した渋谷選手がスイープした直後に試合終了のゴング。判定の結果、1-0で引き分けに終わったのだが、マイクを渡された渋谷選手が「任せまーす」と土橋選手にマイクを向けると、土橋選手はマイクに向かってゲップをブチかました。UGPファイティングスピリット賞を受賞した両者は、表彰式のときも何だか子供のようにお互いにちょっかいを出し合っていたが、何だか仲が良くて微笑ましい光景だった。

 また、ほかの格闘技イベントではあまり見かけない試合が比較的多いOUTSIDERの中でも、極めて珍しい試合となったのが、第2試合の“天下無双の18歳 ノンストップ レオパルド”小澤彪人選手vs.“過剰正当防衛執行部 闇金上がりのギャングスター”魔王超狼選手の一戦。そのキャッチフレーズといい、リングネームといいかなり屈強な選手かと思われた魔王選手だが、意外にも開始早々からひたすらリングを回る。「リングを円のような使う」選手はよくいるため、最初は小澤選手も警戒していたのだが、小澤選手が牽制のパンチを出していっても魔王選手は反撃する素振りすら見せない。
 小澤選手が追いかけるのを止めてジリジリと距離を詰めると、ようやく魔王選手も足を止める。ここで小澤選手は一気に左右のパンチでラッシュ。すると、何と魔王選手は敵に背を向けて逃走! すると、もう見ちゃいられんとばかりに本部席の前田代表がタオルを投入し、まさかの“アキラストップ”!
 魔王選手は両手を広げて「なぜ止めたの?」といった表情。これが作戦なら凄いが、勝った小澤選手は「何て言うか、相手意味が分からない! メチャ殴り合いがしたかったのに!」と不満を爆発させた。

091213_Outsider9-5.jpg 閉会式で前田代表は来年1発目となる2月14日の第10戦(ディファ有明)で、今度は60-65kgトーナメントのエントリーマッチを行うことを発表。さらに来年は上位選手を海外の格闘技大会に出場させたり、米軍とOUTSIDERの対抗戦を行うことも計画していると観客に伝えた。
 そして総括ではまずOUTSIDER初のトーナメントを振り返って、「成功だったと思いますね。やる前はちょっと不安はあったんですけどね。1ダウンとはいえ1日2試合やって大丈夫なのかとかね。でもそれは今までの安全への工夫の積み重ねがあったら出来た。体重差も5kg以内を守ってやっているし。極端なこれ(=実力)が違うようなマッチメークもしていないから」といい感触を掴んだ様子。
 大絶賛した1年前の試合と同じ組み合わせとなった決勝戦の試合に関して、「イニシアチブの取り合いで面白かった。グラウンドの展開が続いたらまた佐野がいっちゃうんじゃないかなと思ったね。彼の(トーナメントの)ブロックは結構大変だったからね。そこで大物食い、大物食いをしてやってきたんで、『波に乗っているから、これは佐野君が最後まで止まらないだろうな』と思ったからね」と語った。前田代表としては勢いに乗っていた佐野選手がいくかと予想していたようだが、その勢いを見事に吉永選手が止めてみせた。
 リングスファンには懐かしいウイニング・ローレルに関しては「コレずっと家に置きっ放しなんで、勿体ないじゃない。コレ一番最後にはめたのってヒョードルですよね。今でこそK-1だ、PRIDEだ、DREAMだ、戦極だって(月桂樹を)頭に付けますけど、最初にやったのはリングスなんですよね」と言ってウイニング・ローレルを手に取った。記者から「今日の吉永選手はそれを付けるに相応しい選手でしたか?」という質問がされると、前田代表は「っていう風になってもらわないとダメですね」と今後の吉永選手に、かつてウイニング・ローレルをつけたヒョードルやノゲイラのように、格闘技界を代表する選手に成長してもらいたいようだった。
 なお、来年の60-65kgトーナメントも65-70kgトーナメント同様に、16人制でやるためにまずエントリーマッチで32名辺りから16名を選抜し、その後1日2試合を2大会やる方式を取るという。今回、吉永選手が腰に巻いたチャンピオンベルトだが、社内で健闘した結果、タイトルとして防衛戦を行うようなことはせず、K-1MAXやWORLD GPと同じように、1年に1回行われるトーナメント優勝者に贈られることになるそうだ。さらに来年には代々木第二体育館や横浜文化体育館といった“中規模”会場への進出も予定しており、徐々に中規模会場がメインになるようにシフトしていくようだ。

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