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›2010年01月01日

最後まで魔裟斗は魔裟斗らしく笑顔で引退!DREAM×SRCの対抗戦に戦慄が走る!

Posted by TEAM-angle at 03:00 / Category: 【格】Dynamite!! / 0 TrackBack

091231_Dynamite-1.jpg 12月31日の大晦日、さいたまスーパーアリーナで行われた『Dynamite!!〜勇気のチカラ 2009〜』。全試合の詳細、地上波放送ではカットされた部分、試合後のコメントなどはバトル・ニュースをご覧下さい。
 今年は魔裟斗の引退試合を目玉に、当初大晦日に有明コロシアムで『SRC12』 を開催する予定だったSRC(戦極)が合流し、石井慧の総合デビュー戦とDREAM×SRCの対抗戦も行われることになった。そのため、久しぶりにスタジアムバージョンとなったたまアリには4万5606人もの観客が詰めかけた。
 これまで2戦して2敗している宿敵アンディ・サワーが最後の相手となった魔裟斗。記者会見で「最後、俺がサワーにリベンジするっていうストーリーなんです!」と言い切った魔裟斗は、気合い十分の表情で入場。対するサワーも特別に許可された“シュートボクシングの正装”であるロングスパッツを着用して勝つ気十分!
 それだけに試合はもう真っ向勝負。お互いにパンチ、キックをバンバン出していく中、サワーのローキックが着実に魔裟斗にダメージを与えていく。魔裟斗がグラつくシーンを見て、客席からは大きなどよめきが起こるが、4Rに逆にローでサワーの動きを止めてきた魔裟斗は、サワーがそれでも前に出て来たところに、ドンピシャのタイミングで右フックを合わせてダウンを奪う! あとがないサワーは魔裟斗を倒そうとガンガン反撃して盛り返すが、魔裟斗は辛くも堪える。
 そして最後の5R、魔裟斗は守りに入ることなく、最後までサワーと真っ向から打ち合った。残念ながらさすがにクリンチが増えKO決着とはならなかったが、5R闘い抜いて完全燃焼した魔裟斗に文句なしの判定勝ちが告げられると、サワーも潔く負けを認めて魔裟斗を肩車して祝福。魔裟斗がすごいのは、本当に宣言通り緩い試合をすることなく、キッチリとサワーにリベンジし、魔裟斗ストーリーに完璧なカタチでピリオドを打ってみせた点だ。

091231_Dynamite-2.jpg 魔裟斗は「ファイターとしては今日で引退しますが、まだ30(歳)だし、俺の人生はまだ50年は残っているんで、明日からまた新しいことを見つけて頑張っていきたいと思います。本当に今まで応援ありがとうございました」と挨拶。すると客席には観客にメッセージが寄せ書きされた「魔裟斗最高!」フラッグが広げられ、そのフラッグを心夫人や練習仲間、K-1甲子園の選手たちが掲げる。
 そして、共にK-1MAXを作ってきた谷川貞治FEG代表からゴールデングローブを贈呈された魔裟斗は、リングに上がってきた心夫人の涙をタオルで拭うと、仲良く並んで記念撮影に応じた。引退セレモニーのあいだ、終始満面の笑みだった魔裟斗は「何かすげーアットホームな感じで、ありがとう!(笑)なんで俺の嫁が(リングに)上がってるんだろうってビックリしました。まぁでも俺っていつもこんな感じですよ。もうすぐカウントダウンですよ。みんなそろそろ帰らないと。打ち上げがあるんで俺も帰らないと。来年もK-1は続きます。よいお年を」と最後に挨拶。リング上に煌びやかな紙テープが舞う中、花道を歩いて引き揚げていった魔裟斗は、客席のほうを振り返り人差し指を突き上げて、現役生活に別れを告げた。
 インタビュースペースでの魔裟斗は、「これでやっと殴り合いの世界から足を洗う事ができます。いま頭、痛い。一瞬効くことはあるんですけど、いまもダメージがあってグラグラしてるぐらいなんで、こんぐらいダメージあるの初めてです。これで最後でよかったと思う」と吐露。率直な心境を「嬉しい。(悲しい気持ちは)ゼロ! 泣くかなと思ったけど泣かなかったね」と笑顔を見せた。この先何をやるかはまだ考えていないという魔裟斗だが、「これ以上続けたらバカになるとホント思いました。俺もう嫌だ。一生殴り合いしない。痛いもん! バカになるの怖い」と言ってファイターに別れを告げた。

 格闘技ファン注目のDREAM×SRC(戦極)の対抗戦9番勝負は、いきなりSRCが3連勝したためワンサイドゲームになるかと思われたが、メルヴィン・マヌーフがあの秋山成勲戦で見せた跳びヒザ蹴りのフェイントを見せた三崎和雄をパンチで打ち落とし、そこからパンチの連打を見舞ってダウンを奪ってあっという間にTKOを勝利! ようやく1勝を挙げたDREAMだが、三崎は「なぜ止めたんだ!」というジェスチャーをしながら抗議。
 しかし、この時点で進行が予定時刻をかなりオーバーしていたらしく、試合後にマイクアピールもやらせず、とにかくスムーズに進行していたため、三崎はとりあえず一旦引き揚げてから正式に主催者サイドに抗議を申請。大晦日の三崎はどうもスッキリとした決着に縁がないようだ。
 その後も所英男が急遽対戦相手が変わったものの、キム・ジョンマン相手に素晴らしい試合を見せて勝利。会見などで徹底的に相手を無視していた川尻達也は、何度も横田一則からテークダウンを奪ってみせるが、横田もまるでウナギのような動きで抜け出してみせる。しかし川尻は無表情でとにかくテークダウンを奪って殴ったり、肩固めを極めたりして横田の動きを封じ込める。何というか“冷たい試合”で川尻が勝利。山本“KID”徳郁は身長差のある金原正徳相手に惜しくも判定で敗れたものの、腕立て伏せをして「まだまだ出来る」とアピール。復活の手応えは掴めたか?
 衝撃的だったのがアリスター・オーフレイムvs.藤田和之の試合。藤田のセコンドについたケンドー・カシンがPRIDEと書かれたTシャツを着て登場したまではよかったが、あのゴツイ藤田がアリスターの圧力に押され気味に。そしてアリスターが蹴りを出そうとしたところで、藤田はキャッチしようとガードを下げて手を前に出したのだが、アリスターは蹴りではなくそのままヒザを藤田の顔面までグーンと伸ばしていき、藤田はかつてミルコ・クロコップと対戦した際にヒザ蹴りをカウンターでもらってしまったときのように、モロにヒザ蹴りを頭部にもらってダウン!
 あまりにダメージが大きい藤田を見てレフェリーは試合を止めたのだが、試合後レフェリーの診断を受けている藤田の様子が映し出されると、瞬きをせずに天を仰いでいたため場内は騒然! 幸い意識はあるようなので、ひと安心したがそのまま首を動かさないように担架に乗せられて運ばれていったのだから戦慄が走った。
091231_Dynamite-3.jpg そして戦慄が走ったといえば、対抗戦大将戦として行われた青木真也vs.廣田瑞人のチャンピオン対決。開始早々タックルでテークダウンを奪った青木は、完全に廣田のマウントを取ると、何と廣田の右腕を後ろ手にして固定。そのまま体重をかけて廣田の右腕をねじ上げると、必死で逃れようとする廣田の右腕をアームロックでひん曲げていく。意地でもタップしない廣田だが、青木曰く「絞ってる時点でバリバリ鳴ってたんですけど、こいつタップしないなと(思いました)。それが彼の意地だったんじゃないですかね。だから躊躇なく折ました(折った感覚は)ありましたね。パコーンって鳴ったんで『あっ、折れたな』って。まぁ折れても別に。(レフェリーに)止められちゃったんですけど、続けても良かったかなと」と語る状態に……。廣田の右手がブランブランしている状況の中、勝った青木は興奮するあまり、倒れている廣田を見下ろして中指を突き立てる!
 さすがにこの行為に関しては、インタビュースペースで「ちょっと興奮して失礼な態度を取ったことは素直に詫びたいと思います」と謝罪した青木だが、最後のアームロックは「笹原さんが『刺しに行け』って言って、しっかり刺せたんで、(技名は)笹原圭一2010です(笑)」と言ってのけた。まさしく1976年のアントニオ猪木vs.アクラム・ペールワン戦を再現するような凄惨な場面だったが、この結果、対抗戦はDREAMが5勝4敗で勝利。SRC側としてみればライト級王者の廣田の腕を壊され、第一チャレンジャーだった横田が完封され、ヘビー級の藤田が病院送りにされたのだから、数字以上にダメージが大きいだろう。
 DREAMの笹原圭一イベント・プロデューサーは、対抗戦の総括として「戦極とDREAMと分かれてやってますけど、実力的に差があるかっていうと、今日の結果が示してると思うんですけど、拮抗してるので、次やったら逆になるかもしれないし、紙一重だと思います」と述べた。なお、次回の『DREAM.13』が3月に行われ、2010年は年6大会+大晦日を予定しているとのこと。

091231_Dynamite-4.jpg SRCのメインカードであるアテネ五輪柔道金メダリスト、石井慧の総合格闘家デビュー戦となる吉田秀彦戦だが、煽りVでは立木文彦氏の声で「大晦日、吉田秀彦の戦極。いざ!」という戦極でお馴染みのフレーズが! さらに「自分にとっては締めくくりの大会じゃないかなと思う」という吉田に対し、石井も「これで負けたら次はないからね」と両者とも相当な覚悟でこの一戦に挑むことが強調された。
 秋山ばりに赤いバトルトランクスの石井に対し、吉田も入場のときこそ柔道着を着ていたが、試合前にすべて脱ぎ白いバトルトランクス姿に。石井立ち上がりこそキレのあるジャブを繰り出していったが、気が強い吉田は真っ向から殴り合いを挑んでいって先にパンチをクリーンヒットさせる。いきなり石井がグラつき、場内が一気に沸き上がる。放送席には小川直也、リングサイドには亀田興毅や内藤大助と豪華な顔触れがこの一戦を見守る。
 しかし吉田は1Rが終了した時点で大量の汗をかき、口で息をするほど。セコンドからも「休んで! 休んで!」という声が飛ぶほどで、吉田は早くもスタミナが苦しい状態に。時折ガードも下げて辛そうな吉田だが、常に体を振ってチャンスを伺う石井に対してはどっかりと立ちはだかってみせ、石井が前に出ようとする度に、パンチを出して止めてみせる。
 2Rになってようやく石井が吉田をロープに押し込んでヒザ蹴りを出すというチャンスが訪れたが、不運にもローブローになってしまい吉田は悶絶! スタミナが切れているところに、股間に思い切りヒザをもらってしまった吉田は見るからに苦しそうだが、この試合を途中で止めるわけにもいかず、根性で立ち上がって試合を再開させる。完全にあとがなくなってしまった石井は、ガムシャラにパンチを繰り出していくが、どうしても吉田にクリーンヒットさせることが出来ない。後半になり、ようやく互角の殴り合いになってくると、終始寝技にいくことを嫌っていた吉田が意表を突いたタックル!
 これは素早く反応して切ってみせた石井だったが、結局そのまま試合終了。判定の結果、3-0で吉田が完勝し、石井は足早にリングを降りた。吉田は2Rの途中で足を肉離れしたとのことだが、「テークダウンにきて、上に乗られて攻められるとキツイなと思ってたんですけど、それはなかったんで。立ちで勝負してきたんで、それが勝因かなと思いますね」と感想を述べた。
 さらに「有明でやるんであれば最後(の試合)にしようかなと思っていたが、(DREAMと)一緒になって魔裟斗選手の引退試合に水を差すわけにはいかないですし、ゆっくりやりたいなと。次の試合が決まれば、それが最後になるんじゃないかなと思います」とラスト1試合で引退を示唆するような発言も! しかもその試合をSRCで行うかどうかについては、「分からないです」と意味深発言を残した。なお、石井はダメージが大きいということでノーコメントだった。

 前半で大幅に時間を押してしまい、何と15時の試合開始からメイン前まで休憩なしで進行するという異常事態! しかも所英男以外試合後のマイクアピールは一切なしの上、当初第16試合(セミ)の予定だったムサシvs.グッドリッジと第15試合の予定だった青木vs.廣田の順番が入れ替わり、さらにムサシvs.グッドリッジと第14試合の藤田vs.アリスター戦の煽りVはカットされてしまった!
 メイン前には約5分間の休憩がやっと取られたが、魔裟斗引退試合、引退セレモニー、さらにその後の出場選手や来場した選手がリングに集合し、何人かの選手が挨拶をする閉会式が終了したのが23時10分過ぎ! オープニングファイトが14時45分頃から開始したことを考えると、何と約8時間半興行となった。ちなみに閉会式の最後で桜庭が「今日、魔裟斗君の大事な試合のオープニングで噛んじゃって、ぼくにとっては反省の年です。また来年はここにいるメンバーで格闘技を盛り上げていきたいです。本当に魔裟斗君は格好良かったです。よいお年を!」と挨拶した。

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